体液生検(リキッドバイオプシー)実用化の評価について

体液生検による検診の実用化 N-NOSEなる がん検査法が、株式会社 HIROTSUバイオサイエンス によって、実用化されるそうです。 xn--icktbzci4u.com ここで実用化とは、 ”がんの1次スクリーニング検査” に用いられる事を指します。スクリーニングは、検診、つ…

15年目? 非専門家としてブログを書く動機づけ

dlit.hatenadiary.com dlitさんの記事を読んで、そういえば、自分もブログを始めて15年目(に入る?)くらいだな、と気づきました(前のブログからの通算。dlitさんと同時期に始めたのです)。15年て、そこそこ長いですね。 始めた頃からすると、最近の内容…

P値のはなし

riklog.com 30人のクラスが2つありました。クラスAとクラスB。全員の握力を測定、クラスAの平均は30kg、クラスBの平均は35kgでした。握力はクラスBの方がクラスAより高い、と言えるでしょうか? 言えるでしょう。クラスAとクラスBの全員の握力を測定し平均値…

《早期発見》と《検診》

勝俣範之氏の主張 「がんは、早期発見、早期治療が大事」というのもそろそろ止めてほしい。早期発見、早期治療が有効なのは一部のがんのみ。進行スピードが速くて、早期発見できないがん、進行が遅くて、検診しなくてよいがん、発見されても治療しなくてもよ…

感度特異度シミュレータの改良

感度や特異度、適中度といった指標を視覚的に把握するシミュレータを以前作りましたが、それに改良を加えました。 screening.iaigiri.com 改良したのは、 各指標をハイライトした際に、分子に当たる領域が点滅するようにした 指標の所をマウスオーバーした際…

【メモ】13種類のがんへの検査

昨日の続き。 13種類のがんのいずれかに罹っているかもという意味での陽性を出す検査の意義。 名取さんの言うように、一つのアプローチとしては、網羅的検査を一次検診にして、後にがん腫特異的な検査をおこなう、のが考えられる。高感度の一次検診で対象者…

《高性能の検査》を《検診》に応用することについて

this.kiji.is ↑少量の血液検査でがんを発見する技術の開発および、その検査を用いた実証実験を開始する、という東芝のリリースを紹介した記事です。東芝のリリースはこちら↓ www.toshiba.co.jp より身体への負担が少なく、短時間かつ低費用で疾病を発見出来…

《科学的根拠はありません》

本日の朝日新聞の広告。このような治療法ががんに有効という科学的根拠はありません。 pic.twitter.com/Cxyk2xOd1Y— 勝俣範之 (@Katsumata_Nori) November 12, 2019 以前に何度か書いた事があるのですが、改めて。 科学的根拠はありませんという表現。これは…

【おすすめの本】『国立がん研究センターの正しいがん検診』

国立がん研究センターのがんの本シリーズの本として、がん検診の本が出ていたので、読みました。 国立がん研究センターの正しいがん検診 (国立がん研究センターのがんの本)作者: 中山富雄出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ発売日: 2019/10/30メディア: …

予防の段階

予防 いきなり問題です。 ワクチンによって、病気にならないようにする 病気を早く見つけて治療する 上の文の内、予防はどちらでしょうか。 答えは、両方です。 ここまで読んで、いや、予防というのは病気を防ぐ事なのだから、既に罹っている病気を見つける…

《血液クレンジング》のはなし――代替療法の検討のしかた

最近twitter上で話題になった、血液クレンジングについて。 BuzzFeedが名取宏さんに取材した記事が、掲載されています。 芸能人が拡散する「血液クレンジング」に批判殺到 「ニセ医学」「誇大宣伝」指摘も ここで重要な点を列挙します。 機序的に効く訳が無…

分母が違う――余剰発見の割合のはなし

流れは↓を見てください。 togetter.com 要するに、余剰発見の割合の話題です。Welchらの論文では、甲状腺がんを無症状の内に、小さいものも含めて見つけたとしたら、その内の余剰発見の割合は99.7-99.9%と推定されているが、現実では、検査のカットオフポイ…

《性能の良い検査》が《検診の性能を良くする》とは限らない

headlines.yahoo.co.jp ↑新しく開発された性能の良いがんの検査法を、検診に応用する事が期待される、という内容の記事です。 まず前提として、がん検査について、 安価 簡便 低侵襲(身体への負担が小さい) 高感度(がんの人を陽性にしやすい) 高特異度(…

《不要(無用・不必要)》な手術

福島の甲状腺がん検診に反対する意見で、 手術が無用ながんを見つけている 事を根拠とする(そう発言する)ものがあります。この無用は、他に不要や不必要などとも表現されます。 ここで気をつけなくてはならないのは、これら表現は単に、 手術という処置そ…

《人体実験》《人権侵害》《マッドサイエンス》

これまでに、菊池さんがどういう発言をしてきたか、解っていますか? twilog.org twilog.org twilog.org twilog.org twilog.org twilog.org twilog.org どれほど強烈な主張をしてきているのか、ちゃんと押さえていますか。 もちろん、それらを踏まえて尚、菊…

菊池誠氏は《ヘルシンキ宣言には殆ど触れていない》のか

ツイッターでは「医学研究倫理に反する」と何度も書いているけど、ヘルシンキ宣言には殆ど触れていないはずです— kikumaco(8/6,9大阪) (@kikumaco) September 3, 2019 ツイッターでは「医学研究倫理に反する」と何度も書いているけど、ヘルシンキ宣言には殆…

伊勢田哲治氏による、福島における甲状腺がん検診が《ヘルシンキ宣言》に照らして《人権侵害》にあたるかの検討。および、それの見られかた

伊勢田哲治氏による菊地誠氏への批判 科学哲学や倫理などを専門とする哲学者である伊勢田哲治氏(伊勢田 哲治 - 研究者 - researchmap)が、物理学者の菊池誠氏による主張、 福島における甲状腺がん検診は、ヘルシンキ宣言に照らして人権侵害である を、実際…

医師も誤つ過剰診断

business.nikkei.com がんは無症状の内に、見つけるのが早ければ早いほど良いという信念を正し、がん検診がもたらす害などについての正確な知識を伝えようとする試みは、良いと思います。しかしながら残念な事に、本記事には、明確な誤りがあります。 1つ目…

菊池誠氏の誤り――過剰診断(余剰発見)の割合

それは過剰診断の抑制ではなく、がんの診断すること全体の抑制であって、甲状腺がんと診断された中に占める過剰診断の割合は変わりません https://t.co/pEetE5BQRK— kikumaco(7/17神戸8/6,9大阪) (@kikumaco) 2019年7月17日twitter.com それは過剰診断の抑制…

過剰診断(余剰発見)の意味と、その「数えかた」【後編】

interdisciplinary.hateblo.jp 上記記事の続きです。 余剰発見の確かめかた ここからは、どのようにして余剰発見が確かめられるのか、あるいは、集団で見た場合に、余剰発見が起こる程度をどう評価するのか、を説明します。 個別症例 まず、ある個人について…

過剰診断(余剰発見)の意味と、その「数えかた」【前編】

はじめに 甲状腺がん検診でよく取り沙汰される過剰診断ですが、議論している人たちのあいだで、必ずしもその意味合いがよく理解され、諒解されている、とは言い難いようです。語の意味合いが人によって異なっていれば、やり取りが噛み合うはずもありません。…

清水一雄氏による福島甲状腺がん検診に対する意見と、健診

www3.nhk.or.jp 上記記事より引用します。 一方、甲状腺の専門医で、検討委員会の甲状腺専門部会で部会長も務めていた清水一雄さんは、「報告の内容は尊重するが、まだ2回目の結果であり、3回目の結果や継続中の4回目など、引き続き、さまざまな検査を踏…

過剰診断(余剰発見)と検診の議論一般に対する誤った理解

togetter.com なるだけシンプルに行きます。 手術の基準を変えても過剰診断は防げないという主張が事実に反することは30秒考えれば嘘だとわかる。 ↑まず前提として、ここで議論されているのは、 がんと確定診断されたとして、それを手術するかどうか という…

検診を考える時に押さえておくべき事

note に書いたのと同内容のものを、改めてこちらに書きます。 検診について考える際に、ここは押さえておいたほうが良い、という所を書きます。これまで何度も言ってきた事ですが、用語の意味に諒解が取れていないと、話が噛み合うはずもありません。 検診は…

個別と集団――くじ引きと過剰診断

webronza.asahi.com 菊池誠氏による記事です。そして、この記事への反応。 菊池誠の駄文は変なところばかりだけど、特にこの「過剰診断かそうでないかは臨床的に区別できないので、過剰診断を避ける方法は検査しないことだけ」には失笑。じゃあなんであんた…

名取宏著『医師が教える 最善の健康法』

医師が教える 最善の健康法作者: 名取宏出版社/メーカー: 内外出版社発売日: 2019/06/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 読みました。 本書は、一言で表現すると、穏当な本です。これをすれば必ずこうなるとか、絶対にこれはしてはならない、と…

中川恵一氏の誤り――がん検診の論理

hc.nikkan-gendai.com 全くひどい内容なので、指摘します。 がんは早期発見が一番です。 誤り、もしくは不正確です。 明らかに、本記事は検診の文脈ですので、早期発見とは、無症状時に発見する事に同義です。そして、がんは、無症状時に見つければ良いとい…

続・経過観察

前の記事では、経過観察を、 がんを見つける前の経過観察 がんを見つけた後の経過観察 に分けましたが、これは、表現を変えると、 結節・のう胞の経過観察 がんの経過観察 とも言えます。また、もう少し細かく見ると、福島の甲状腺がん検診では、ゴールドス…

経過観察と、余剰発見の「抑制」

文末に追記:2019年6月7日未だ、混乱する意見が見受けられますので、整理しておきます。経過観察福島の甲状腺がん検診周りで、経過観察をおこなうので、余剰発見が抑制出来るとの意見を見る事があります。これについて考える時に重要なのは、どのフェーズで…

甲状腺がん検診をおこなうべきで無い理由と、余剰発見と害のはなし

もう、何度も何度も何度も何度も書きますが。検診をおこなうべきで無い理由福島(に限らず一般に)において、甲状腺がん検診をおこなうべきで無い理由は、余剰発見等の害があるからでは無いです。そうでは無く、効果が認められていないからです。効果が認め…