ちょっちメモっち

●病気に効くと称して何かを与えられた後の「変化の構造」について。
 
○概念的に分けられると思われるものを分解する。+ は特に単純加算などを意味しない。
 
A:自然な変化(時間経過による変化)+B:与えられた「場」などに対する心理社会的な作用(与える人に対する信頼感。ホーソン効果など。認知→生理)+C:与えられた「物」に対する「心理(社会)的な」作用(「効く」という信念形成。認知→生理)+D:与えられた「物そのもの」の作用(薬理的作用)
 
A+B+C:”広義”の「プラセボ効果」 ←エルンストの言う「プラセボ効果の誤用」
 
C:”狭義”の「プラセボ効果」 ←エルンストの言う「真のプラセボ効果
 
プラセボ効果」自体に批判的な立場
→A+B+C:meaning response(意味応答)
 
D:薬自体の効果。薬理的メカニズムの作用。
 
○ある部分のみの作用を評価したい。その場合、「それ以外の条件をなるべく揃える」必要がある。
 
・「薬自体」の作用を確かめたい
そのためには、それ以外の作用、つまり意味応答を促す部分を揃える。そのために、施術者被術者共に「群への割り付けを知らない」ようにする。即ち二重盲検試験※ その他交絡因子のバイアスは、無作為割り付けなどによってコントロールされる。
※群の割り当てを知れば、それが行動に(意図的・無意図的に拘らず)現れ、バイアスとなる(意味応答部分が揃わなくなるため、薬に特異的な作用が測れない)。
 
・「意味応答」の作用を確かめたい
そのためには、「薬理的に同じ作用を与える物」を与え、それ以外の確かめたい条件(因子)を変えて実験する。たとえば、
 ・施術者(医師)の属性:態度・服装・治療成績情報 等
 ・与える物体の属性:色・におい・舌触り 等 ※追記:においや舌触りは意味応答に含めるべきか否か
 ・実験環境の内、意味付けに関わる部分:立地が良い、土地の値段が高い、建物が新しい 等
 
プラセボ対照無作為化二重盲検試験(DB-RCT)においては、「薬そのもの」という因子をコントロールする。水準は、確かめたい物/薬理的に効かないと判っているもの(偽薬)。ただし、意味応答の作用を防ぐために、見た目や形、味を全く同一に統制する。二重盲検も同様(上記参照)。
 
参考資料:
『誤用される「プラセボ効果」』の誤用と「プラセボ効果」のそもそも論
http://d.hatena.ne.jp/Mochimasa/20100327/1269686848