「性能自体の問題ではありません」

弊社掃除機のカタログ表示等に関する措置命令についてのお詫びとお知らせ | ニュースリリース:シャープ

今般のご指摘は、弊社掃除機の性能についてのカタログ等での表示に関するものであり、プラズマクラスターの性能自体の問題ではありません。また、対象となる掃除機以外の弊社のプラズマクラスター搭載製品の性能について、問題とされているものではありません。

私が強調を施した部分、なかなか興味深い表現だと思います。
と言うのは、ある対象について、「性能自体」というのがどのような概念を示した言葉であるのか、と考えると、結構深い問題に関わってくると考えるからです。
「性能」というのがそもそも、合目的的と言うか、どのような場で、どのような対象に、どのくらい……というように、限定された文脈における機能を指す言葉でしょうから(「効果」等もそうでしょうけれど)、「性能自体」のような表現は、結構曖昧に感ずるのですね。その曖昧さは、「“性能自体”が問題とされるというのはどのような場合か」と考えると、より意識されます。
恐らく、後に続く対象となる掃除機以外の弊社のプラズマクラスター搭載製品の性能について、問題とされているものではありません。という部分を強調するための前置きのようなものではないかとも思われます。つまり、本件では、あくまで対象の掃除機の性能について肯定的な結果が得られなかったという事であって、他の製品についても同様に評価された訳では無い、というのを企業側としてはアピールしたいのでしょう。
実際、ある機能を搭載したいくつかの製品の効果が認められないからと言って、すぐに他の製品もそうであるとは言えない、というのは、論理的にその通りだろうと考えます。その意味では、批判的に見る側も慎重に捉える必要があるでしょう。
もちろん、製品の特性であるとか、メカニズムの説明であるとかを考察して、他の製品について類推し、懐疑的に見る、のも出来るだろうとは思います。ただその場合でも、他のもインチキに決まっている、のような見方をするのでは早計ですね。少なくともSHARPは、プラズマクラスターの効果・効能は、これまで国内外の22の第三者機関で実証頂いております。と言っているので、そこは念頭に置く必要があるでしょう。尤も、「実証」を謳ったり、それを行った機関の数をアピールするやり方は、良くも悪くも色々な場面で見られるので、量と質の両面を丁寧に考察していくべきですけれども。