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エビデンスとは

メモ的に。前のブログでも引用した気がしますが、大事な所なので改めて(初めての紹介かも知れないけれど)。

 医学・医薬など生物科学諸分野で,EBM(Evidence-Based Medicine)の気運の波及が最近著しい.この達成のためのbackboneが,生物統計学(biostatistics)であることに誰も異論はなかろう.考慮すべきはこの“evidence”とは何かである.それは,単なる“data”ではなく,偏りのない(unbiased)dataと言えよう.そして,生物統計学を「その獲得と解析の手法」として把握すべきである.こうした手法は,自然科学全般に共通するが,その中でも対局をなす,物理学vs.生物科学の違いをclose-upするなら,前者は理論主義的側面,後者は実証主義的側面が強いことであろう。つまり,前者の「理論(論理)先行型」と後者の「実証(evidence)先行型」的な性格である.
 前者を誇張した比喩が,「風が吹けば桶屋が儲かる」的論法であり,論理のchainが少しずつでも食い違うと,最終stepではとんでもない結論が誘導される危険性が潜んでいる.これに対して,後者では,「風が吹く/吹かぬ」という入り口(input)と「桶屋が儲かる/儲からぬ」という出口(output)に着目して,その関連性を観測しようとするだろう。
足立堅一『実践統計学入門』はしがきより

物理学との対比については異論を持つ方もあるかも知れませんが、科学における実証というのは、なるだけバイアスを排したデータを集め、ある現象の input と output との関連に着目する所が重要である、という部分はよく考えておいてしかるべきでしょうね。そういう所に了解が無いと、議論はいつまで経っても噛み合わないおそれがあります。