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効果とメカニズムと代替療法と標準医療と

※引用は原文ママ

ほほぅ。標準医療と代替医療の違いは「原理がわかっているかどうか」でなく「効果があるかどうか」だと、NATROM氏が言ってるよ。西洋医療も「原理かわからずに施す処置」であることを、ことを認めるのですな
http://twitter.com/dmburg/status/454427801672613889

表現がごちゃごちゃしていて、何を主張しているのかよく解りませんね。
まず、標準医療と代替医療の違いについて。代替療法の定義は、最も一般的には、
社会的にスタンダードに用いられている療法(たとえば、保険適用されている*1)以外の療法総体
とでも言えるでしょう(以前に定義について検討したエントリー⇒「代替医療」概念の捉え方と考察の仕方について。それから僭越な補足: Interdisciplinary)。その観点からは、NATROMさんの仰る、

「原理がわかっているかどうか」でなく「効果があるかどうか」

で標準医療と代替療法を区別する、という分け方は適切では無いでしょうね。それだと、効果があると判明した代替療法が標準医療に組み込まれるのと、効果が無いと判明した療法が標準医療から外される事が説明出来ません。言えるのは、
現在の標準医療は、出自が何であれ効果があれば採用するという思想(その評価や分析・適用のための方法的な基盤がEBM)を掲げている
という事です。その意味で、標準医療と代替療法の分類は、多分に社会的・制度的な問題を孕んだものであって、単に効果のある無しで分けられるものではありません。
ここでNATROMさんの表現の意図を推察すると、今私が書いたような社会的な事情があるので、全体として眺めて見れば、標準医療で用いられるものは効果が認められていて、代替療法は効かないものが多いであろう、という傾向を言っているのだろうとは思われます。定義云々よりは、特徴を記述したもの、と言えるでしょうか。標準医療と代替医療の違いを、標準医療と多くの代替医療の違いとでもすれば、より伝わりやすいのかな、とも考えます。
それから、NATROMさんは、「効果があるかどうか」と書いていて、効果があるか無いかとは書いていないのですね。当然、あまり知られていない療法については、きちんとした検証がなされていない場合があり、その時は、効果については不明ですから、二値的な表現(効くか効かないか)より三値的な見方(効くか効かないか不明か)をしておくのが無難でしょう。

西洋医療も「原理かわからずに施す処置」であることを、ことを認めるのですな

まるで、認めたらまずい事について、それを認めるのか、と迫っているように見えますね。でも、そもそもこの表現は、問い方として雑でしょう。大体、原理というのも、程度問題でしょう。どのようなレベルでどの程度まで仕組みが解っているか、は様々です。
それを踏まえた上で、一般的に、大雑把な事を言えば、標準医療(何故引用文では西洋医療にしているかはよく解りませんが)も原理かわからずに施す処置するのか、という問いには、その通りだと答えられるし、別にそう答えても何も困りません。ただ、引用文の言い方だと、西洋医療は一般に原理がわかっていないみたいに解釈されかねませんね。上でも書いたように、どのレベルでどのくらいそれが解っているかは様々でしょうから、これは、
標準医療は、効果があれば原理が詳細に解らなくても、有用な療法として採用する、という基本姿勢である
とでもした方が良いでしょう。
原理が解らないのに効果のある無しが解るのか、という所については、解ると言えます。入力と出力(プログラム的には引数と戻り値)の評価の仕方がはっきりしていれば、その内側のメカニズムが詳細に解っていなくても(ブラックボックス)、因果関係を推論出来ます。ただ、そのブラックボックスには、確率的な問題や、色々の要因の絡み合いの問題があるので、そのやり方は単純ではありません。実験計画法や因果推論は、それを評価するために発展してきている方法です。

*1:保険適用されているもので効かない療法が存在するか、というのは別の議論