2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

研究に潜む敵――バイアス(偏り)のはなし

バイアスとは 人間の集団を観察したり調査したりして、何らかの傾向や因果関係を見出そうとする際には、バイアスの存在に気をつけなければなりません。 研究においては、知りたい対象がまずあります。たとえば、30代女性の傾向はどうかとか、60代の男性はど…

5年生存割合と検診の有効性評価について

知っている人向けです。 勉強の流れで、5年生存割合(生存率と表現される事が多い)について調べていたのですが、とても気になる事がありました。 と言うのは、がんの有用さを紹介する際に、資料として5年相対生存率(以下、率は割合と表記する。また、5年相…

死因別死亡率

定義からも、英語のcause-specific mortality rateという表現からも、 特定死因(原因)死亡割合 とでもするのが解り良い。 死因別とすると、複数の死因ごとのものを並べている、みたいな意味合いに取れる。

スクリーニングの指標について

指標 有病下陽性割合 病気に罹っている人の内、陽性になった割合:陽性 / 病気あり→正 無病下陰性割合 病気に罹っていない人の内、陰性になった割合:陰性 / 病気無し→正 有病下陰性割合 病気に罹っている人の内、陰性になった割合:陰性 / 病気あり→誤 無病…

がんの罹患率

がん統計における罹患率は、発覚累積割合とでもすべきですね。 ganjoho.jp

発生率と発見率(発覚率)

ある集団を調査対象として設定する事を考える。 その集団において、特定の病気にどのくらい罹りやすいかを考える。 集団に属する人が病気に罹る現象を、発生と表現する。発生は、より一般的な表現だから、医学的な分野に限定すると、罹患や罹病などが考えら…

平均有病期間2

前エントリーの続きです。 そもそも甲状腺がんは日本において、広くスクリーニングが行われるような対象では無かったので、正確な有病や発生の程度が解らなかった、というものですね。だから、剖検の結果などから、今考えられているよりもずっと多いのではな…

平均有病期間

最近、疫学の専門概念の復習や用語の整理をしている所です。 その流れで、NATROMさんの、以下のエントリーを再読しました。 d.hatena.ne.jp 結構前の記事です。この記事は、福島県の小児において甲状腺がんの多発は起こっているかという議論に関連するもので…

累積罹患率

累積罹患率(cumulative incidence rate)の定義は、対象期間中の新規発生数 / 対象期間開始時における危険人口(リスク下集団:population at risk:PAR)*1という割合。名前は率だけど割合。分母は時点での人口。分子は、再発は数えない。再発を数えると、…