2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【おすすめの本】『国立がん研究センターの正しいがん検診』

国立がん研究センターのがんの本シリーズの本として、がん検診の本が出ていたので、読みました。 国立がん研究センターの正しいがん検診 (国立がん研究センターのがんの本)作者: 中山富雄出版社/メーカー: 小学館クリエイティブ発売日: 2019/10/30メディア: …

予防の段階

予防 いきなり問題です。 ワクチンによって、病気にならないようにする 病気を早く見つけて治療する 上の文の内、予防はどちらでしょうか。 答えは、両方です。 ここまで読んで、いや、予防というのは病気を防ぐ事なのだから、既に罹っている病気を見つける…

《血液クレンジング》のはなし――代替療法の検討のしかた

最近twitter上で話題になった、血液クレンジングについて。 BuzzFeedが名取宏さんに取材した記事が、掲載されています。 芸能人が拡散する「血液クレンジング」に批判殺到 「ニセ医学」「誇大宣伝」指摘も ここで重要な点を列挙します。 機序的に効く訳が無…

分母が違う――余剰発見の割合のはなし

流れは↓を見てください。 togetter.com 要するに、余剰発見の割合の話題です。Welchらの論文では、甲状腺がんを無症状の内に、小さいものも含めて見つけたとしたら、その内の余剰発見の割合は99.7-99.9%と推定されているが、現実では、検査のカットオフポイ…

《性能の良い検査》が《検診の性能を良くする》とは限らない

headlines.yahoo.co.jp ↑新しく開発された性能の良いがんの検査法を、検診に応用する事が期待される、という内容の記事です。 まず前提として、がん検査について、 安価 簡便 低侵襲(身体への負担が小さい) 高感度(がんの人を陽性にしやすい) 高特異度(…