2020-01-01から1年間の記事一覧

多層の全事象

コイン投げ 種類の違う2枚のコインを投げる実験を考える。それぞれのコインについて、出現し得る帰結は、表と裏の2種であり、他は無いとする。 いかに全事象が規定されるかは、その実験のどの部分に着目するかによって変化する。 2枚のコインの表裏に着目す…

有名人が

有名人が病気に罹ったら、というあの話。 色々の人が色々の話をしていたけれど、結局よく解りませんでした。 有名人集合を定義出来たとして、その成員が罹患しているとの情報から、人口集団(市区町村でも都道府県でも国でも)における保有割合が高い事が推…

日本語なら

カタカナ語 新型コロナウイルス感染症関連の用語について、カタカナ語をなぜわざわざ使うのか、的な意見がありますね。 クラスター 集団感染オーバーシュート 感染爆発ロックダウン 都市封鎖ではダメなのか。なんでカタカナ?— 河野太郎 (@konotarogomame) 2…

【メモ】オーバーシュート

www.ncbi.nlm.nih.gov Susceptibles and infecteds for an uncontrolled epidemic. The dotted horizontal line indicates the threshold level of susceptibles Sth below which population immunity prevents further outbreaks. The arrow indicates the …

常に念頭に置いておく事

私がいつも心がけている事。 自分が途方も無く馬鹿である可能性 自分が考えつく程度の事は、とっくに誰かが考えついている これらを想定しておく。 だから、ブクマコメントを書くのに教科書を5冊くらい参照したりする訳です。その過程で、うっかり用語を憶え…

【メモ】検査議論

interdisciplinary.hateblo.jp ↑ここで書いた事から、あまり進んでいないですね。 今日は厚労省が、ドライブスルー方式の検査に関する見解を発信しました↓ 【#新型コロナウイルス「ドライブスルー方式」のPCR検査を実施しない理由について】「ドライブスルー…

新しい感度特異度シミュレータ(例数入力版)の作成

以前作成した、感度特異度診断シミュレータ(感度特異度診断シミュレータ)は、人口100万として、各指標の割合を設定するデザインでした。 ただ、そのデザインだと、感度などの指標を操作するのみですので、実際に得られたデータを適用して計算する事が出来…

感度特異度の把握のしかた

これら指標の説明を、数学(確率分野)におけるベイズの定理を紹介しつつおこなうものがあります。また、敢えてそれを説明する事で却って解りにくくなる、と言う論者もいるようです(twitterで、感度や特異度と、ベイズあたりを組み合わせて検索すると、色ん…

致死割合の分類と整理

病気での死にやすさを示す指標である致死(致命)割合ですが(死亡割合とは別)、それ自体にもいくつか種類があるので、きちんと分けて把握しておきましょう。 まず、分子は、対象の疾病によって死亡した人を数えます。 次に分母。理論的に、次の区別が出来…

陽性と陰性

さて問題です。 陽性なのに陰性 ↑これは、何の指標を表していますか。

【メモ】新型コロナウイルス感染症に対する検査性能と、検査結果を把握した後の行動傾向など

メモ。一般論や定性的な話含めて。定量的な議論とは別の、こう考える事も出来る、あるいはこう考える人もいるといった所も検討。 RT-PCRの軽症者に対する感度は低そう(中国での胸部CTと比較した研究など) 感度が低くて検査対象を拡大すれば、誤陰性者が結…

感度特異度シミュレータの修正

screening.iaigiri.com いくつか修正しました。 誤陽性割合と特異度の位置を逆にした(これまでは直感的で無かったですね) 各指標の指定を割合(%)で出来るようにした(これまでは、幅と高さの比で指定でしたが、そこもよろしく無かったです) 適中度の精…

《基準》の性能

感度や特異度の話を解っている前提です。 指標はいつものこちらを↓ screening.iaigiri.com 新型コロナウイルス感染症の検査について議論する際、検査性能を評価する各種指標を理解するのが重要だ、というのは、私も前の記事で触れた通りです(主旨は、過剰診…

《過剰診断(余剰発見)》と《偽陽性(誤陽性)》は違います

新型コロナウイルスによる感染症の議論に絡んで、検査に関する専門用語が話題に上っています。感度や特異度などですね。疾病の検査を受けるのは、私たち非医療者にとっても身近の事ですので、それにまつわる専門用語を理解するのは、とても大切だと思います…

【メモ】ニセ科学(ニセ医学も)

メモ。整理・準備用。重複あり ニセは科学にかかる ニセは成り立たないやあり得ない。あるいは間違っているなどを包含する訳では無い ニセ医学でも同様に成り立つ(ニセは医学にかかる) 医学は正しいに包含されない。ニセの医学は成り立たない事を包含しな…

自分とマスク。エビデンスとコミュニケーション

実は私、マスクを常備し毎冬着けています。 ただ、それは感染防御が目的では無く、冷気に口鼻が曝されると調子が悪くなるからです。鼻や喉の症状ですね。血管運動性鼻炎と診断された事もあります。 そういう事情ですが、外からは、いつもマスクを着けている…

マスクと感染症防御まわりの議論の観点

医療者やマスメディアによる発信 マスクと感染症防御のはなしです。 医療者やマスメディアなどが関連の記事を出し、それが反響や議論を呼びます。たとえば私が最近読んだのは、次の記事です。 kaigyou-turezure.hatenablog.jp ↑開業医のかたによる、新し目の…

甲状腺がん検診を理解するために

www3.nhk.or.jp 福島における甲状腺がん検診に携わった鈴木眞一氏が、福島でおこなわれたシンポジウムで講演した、というニュースです。 そこで鈴木氏は、 鈴木主任教授は、「これまで治療した症例に過剰診断がないとまでは言い切れないが、極めて限定的であ…

ゲーム依存対策に関する条例についての意見や主張を、書かない訳

香川県の話。ここや前のブログを読んでおられるかたであれば、私がその問題について何か書くのではないか、と思ったかも知れません。 もちろん、興味はあるのですが、現在の所、書いていません。関連記事に はてブもつけていません。 理由は、難しいからです…

【メモ】保有と発生

保有割合調査と発生割合調査は異なる。 罹患力に大きな変化が無く、罹病期間が長い疾病なら、最初に保有割合調査をおこない、続けて累積発生割合調査をすれば、一般に割合は下がるだろう。 保有割合調査をおこなう時期に罹患力が高くなれば、その後におこな…

体液生検(リキッドバイオプシー)実用化の評価について

体液生検による検診の実用化 N-NOSEなる がん検査法が、株式会社 HIROTSUバイオサイエンス によって、実用化されるそうです。 xn--icktbzci4u.com ここで実用化とは、 ”がんの1次スクリーニング検査” に用いられる事を指します。スクリーニングは、検診、つ…

15年目? 非専門家としてブログを書く動機づけ

dlit.hatenadiary.com dlitさんの記事を読んで、そういえば、自分もブログを始めて15年目(に入る?)くらいだな、と気づきました(前のブログからの通算。dlitさんと同時期に始めたのです)。15年て、そこそこ長いですね。 始めた頃からすると、最近の内容…

P値のはなし

riklog.com 30人のクラスが2つありました。クラスAとクラスB。全員の握力を測定、クラスAの平均は30kg、クラスBの平均は35kgでした。握力はクラスBの方がクラスAより高い、と言えるでしょうか? 言えるでしょう。クラスAとクラスBの全員の握力を測定し平均値…