2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

《死亡の保有割合》は成り立つか

小話と言うかネタ的だけど、それなりに真面目な話。 疫学等で、いわゆる有病割合という用語があります。ある時点での人口における、病気を持っている人の割合ですね。何らかの人口(地域に住む成人でも病院の患者でも学校の生徒でも)を対象に計算する割合は…

がん検診や過剰診断議論の見通しを良くするための本を紹介

元首相の5人が欧州委員会に送った書簡をきっかけに、福島における甲状腺がん検診まわりの議論が起こりました。 www.sankei.com この議論、被ばくによって甲状腺がんが多く発生しているのかとか、検診は良い効果をもたらすのかとか、検診によって起こる害はど…

似た語だけど

問題なのは、 抜き打ち では無く、 抜き取り ですね。抜き取り調査は母集団の様子を知るために一部(標本)を採っておこなうものだから、それで競技上の失格を判定するなら、不公正になるに決まっています。

がん検診に関する細野豪志氏の不正確な発言について

衆議院議員の細野豪志氏が、福島における甲状腺がん検診の問題に絡めて、次のような発言をおこないました。 現在、福島以外では(国際的にも)甲状腺検査は推奨させていません。過剰診断、過剰治療によって本来は必要のない手術をする人が出てくる可能性があ…

そこにクリティカルポイントがあるのなら

福島の甲状腺がん検診について。元首相たちの書簡送付の話題をきっかけにして議論が巻き起こっているようです。いや、ああいうのを議論と言って良いのか判りませんけれど。 それはともかくとして。ここでは検診の有効性の話をします。他の論者があまり扱わな…

母数と分母

それを混同してはいけないのは、 現代の専門用語の定義を踏まえれば、同じ語が全く異なる意味を指してしまうから です。だから、百何十年前には母数が分母の意味を表していた、みたいな話とはまた違う訳ですね。その話は数年前に知って、自分の調査不足を痛…