2022-01-01から1年間の記事一覧

《こどもを甲状腺がんの過剰診断から守る医師の会》へ質問

twitter.com こどもたちを甲状腺がんの過剰診断の害から守ることを目的に結成された甲状腺専門医を中心とした医療者の会です。 もし関係者が見たら、次の質問に応えて頂きたいです。 福島での集団甲状腺がん検診において、overdiagnosisはどのくらいの割合で…

同い年

これが若い世代にある傾向なのかは判りませんけれど、20代以下くらいの人たちが同い年と言う場合、それは、いわゆる同学年や同年度生まれを指す事があるようです。もちろん、同学年なら同年度生まれとなる訳ではありませんので、単に同年度を指す、と捉えて…

過剰診断概念の共有が進めば

名取さんが、過剰診断なる語の多義性とそれによる議論の混乱に関する記事を、アップなさいました。 「過剰診断」の定義の違いを認識しよう - NATROMのブログ 議論の大前提である用語の意味の共有が進む事を望みます。その方向性としては、同じ語でも文脈によ…

【メモ】事象とスイッチ

確率のはなし。 起こり得る複数の結果があって、結果を確定できないような実験、すなわち試行を考えます。その結果(アウトカム)を漏れなく集めた集合を全事象と言います。 全事象の要素はその定義から、着目している試行の起こり得るアウトカムです。硬貨…

ブームと交流

昨今、格闘家・武術家系のYouTuberが色々と交流して、ある種のブームになっていますね。改めてブームとは何だ、と問われると難しいですが、武術関連の動画が数十万回も再生され、武術家がテレビに出てワンインチパンチ等のパフォーマンスを披露する、という…

偽発見率?

診断学方面では、陽性者の内で正陽性である割合を、陽性適中割合と言う(他にいくつか表現がある)。これは要するに、陽性と予測して当たった割合なので、当然、その逆である陽性と予測して外した割合もある。 陽性適中割合を略すとPPVだから、予測を外した…

《死亡の保有割合》は成り立つか

小話と言うかネタ的だけど、それなりに真面目な話。 疫学等で、いわゆる有病割合という用語があります。ある時点での人口における、病気を持っている人の割合ですね。何らかの人口(地域に住む成人でも病院の患者でも学校の生徒でも)を対象に計算する割合は…

がん検診や過剰診断議論の見通しを良くするための本を紹介

元首相の5人が欧州委員会に送った書簡をきっかけに、福島における甲状腺がん検診まわりの議論が起こりました。 www.sankei.com この議論、被ばくによって甲状腺がんが多く発生しているのかとか、検診は良い効果をもたらすのかとか、検診によって起こる害はど…

似た語だけど

問題なのは、 抜き打ち では無く、 抜き取り ですね。抜き取り調査は母集団の様子を知るために一部(標本)を採っておこなうものだから、それで競技上の失格を判定するなら、不公正になるに決まっています。

がん検診に関する細野豪志氏の不正確な発言について

衆議院議員の細野豪志氏が、福島における甲状腺がん検診の問題に絡めて、次のような発言をおこないました。 現在、福島以外では(国際的にも)甲状腺検査は推奨させていません。過剰診断、過剰治療によって本来は必要のない手術をする人が出てくる可能性があ…

そこにクリティカルポイントがあるのなら

福島の甲状腺がん検診について。元首相たちの書簡送付の話題をきっかけにして議論が巻き起こっているようです。いや、ああいうのを議論と言って良いのか判りませんけれど。 それはともかくとして。ここでは検診の有効性の話をします。他の論者があまり扱わな…

母数と分母

それを混同してはいけないのは、 現代の専門用語の定義を踏まえれば、同じ語が全く異なる意味を指してしまうから です。だから、百何十年前には母数が分母の意味を表していた、みたいな話とはまた違う訳ですね。その話は数年前に知って、自分の調査不足を痛…

福島での甲状腺がん検診議論の整理

福島における甲状腺がん検診の話。 被ばくによる流行vs過剰診断という図式は成り立たない 流行とは、ある地域において対象の疾病の罹患率が、通常より大きくなる事。過剰診断とは、症状発現しない疾病を発見する事。これらはそもそも文脈の異なる議論で用い…

【書評】『新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論』を読んで

はじめに 昨年末に彩図社から、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19と表記)にまつわるデマや陰謀論を検証した本が出版されました。 新型コロナとワクチンの「本当のこと」がわかる本~【検証】新型コロナ デマ・陰謀論作者:ASIOS,桑満 おさむ,名取 宏,…