「増える」

PKAnzug先生による「甲状腺癌は実はその気になって探せばすごく多い」って話。 - Togetter

ある徴表(属性でも特徴でも)を持っている人が「増える」という場合、そこには色々の可能性がある訳ですね。

・より多く調べるようになった
→元々その特徴を持っている人は潜在的に結構いて、それが、これまでよりも多く調査する事になって(たとえば、その特徴に関心を持つ人が多くなって沢山検査に行く、など)、結果的に数が増える。暗数として不明確なものだったのが明るみに出る、という事。だから本当は、「増えたように”見える”」。
その特徴を持っていても実はさほど問題にはならない(放っておいてもまあ大丈夫だろう)、という場合などには起こりやすいのかも知れません。

・調べ方が変わった
→測定の確からしさなどが向上したりすると、これまで見落としていたものがちゃんと見つかるようになった、という事が起こります。そうすると、やはり増えたように見える。

・定義が変わった
→○○という用語があった場合、その意味する内容が変化する事があります。新たな知見が加わって概念が変わったりする場合や、社会的な認知と専門用語の内容がズレているので合わせたりなど。たとえば、社会科学的な用語、「いじめ」や「犯罪」を考えます。その語にどういう行動を含めるかによって、報告される件数も変化しますね。認知件数などを見る際にもこういうのを意識するのは重要。

・分母が大きくなった
→分母が大きくなれば、着目している特徴を持った個体の出現する可能性も大きくなります。たとえば、ある食べ物を食べて死ぬ人がいる、という場合、その食べ物の消費量が爆発的に増えれば、死ぬ人も同時に増えます。数そのものを見れば。
だから、「率」や「割合」で比較するのが重要と言える訳です。