先人達が道を造ってきた

10年後にあなたの息子が白血病になったら後悔しませんか? - Togetter
こういう文脈で最も大切な事は何だと思いますか?

それは、「用語の意味を知る事」です。

リンク先を読んだ人の中で、「発症率」という言葉の意味を調べた事がある人はどのくらいいますか? 「率」と「割合」の違いは解りますか?

そのような用語は、何かが原因となってある病気に罹る人が増えているか、などを確かめたり議論するために使われるものです。それらの用語は沢山あって、それぞれが密接に関係して理論が構築されている訳です。
じゃあその種の用語や概念が使われる分野はどういうものかと言うと、公衆衛生学や疫学などです。それら分野の教科書を読めば、色々の用語の定義が載っていて、どういった調査で確かめられるのかも紹介されています。
また、厚労省にも用語集があります⇒厚生労働統計に用いる主な比率及び用語の解説
いかがですか。これを見て、「げ、こんなにややこしいのか」と思った人もいるのでは? その通りで、実際複雑です。社会的な色々な事柄を数値的に表して(数量化)そのあらましを把握するのが目的なのですから、数学的な論理も応用されているし、難しくなるのがある意味当然なのです。

言葉の意味の把握にズレがあれば話が噛み合わない、のは当たり前です。日常会話でもしばしばある事でしょう。まして、非常にシビアな話題で、理論的に複雑なものを扱っているのです。疎かにする事は出来ません。

先に、これらの話は公衆衛生学や疫学が扱うと言いましたが、少しでもまともな議論を行いたいと思うのならば、それらの分野の教科書くらいは見ておくべきでしょう。
上の用語集を見るからに、その分野の教科書は難しそう、と思うでしょう? 実際そうです。最初見た時には、何が書いてあるか全く解らないです。しかも、概念の把握には、確率・統計の知識が必須です。本来それは、高校くらいで勉強しておくものですが、そう上手くはいっていない人も多いでしょう。
しかし、難しそう、やってられない、となったら、もうこの種の議論には参加出来ません。無理です。少なくとも、使われる用語がきちんと定義されていて、専門の人はそれを正確に押さえつつ議論している、という事くらいは認識しておかないと、ずっと的を外すままです。

結局は地道な勉強が必要です。今は、図書館に行けば公衆衛生学の教科書くらいは置いてあります。解らなければ、より基礎的な部分に立ち戻って勉強し直すべきです。小・中学校の段階からやり直すのも厭うべきではありません。本当に論じたいのならば。
学問は積み重ねです。積まれていないのだったら(あるいは、積んだけど崩れてしまっているとしたら)、積極的に、堅実に積み上げていかなければなりません。
「学問には王道しかない」と言ったのは誰でしたか。なかなか含蓄のある言葉です。