電子書籍 『「科学的」に考えるために』を無料公開しました。
「科学的」に考えるために - TAKESAN | ブクログのパブー
昨年(2011年)8月に執筆し、パブーにて有料公開していた電子書籍、『「科学的」に考えるために』を、このたび無料公開する事としました。
本書は、科学とはどんな営みか、また、「科学的に考える」とはどういう事か、というのを、なるだけ易しく書きたい、と思い作ったものです。
内容は、ブログで上げた記事をまとめ、それに加筆修正したものです。科学で用いられる方法や歴史を紹介したり、自分の経験も交えて、科学との向き合い方などについても書きました。社会制度が絡んだ営みとしての科学や、よく話題に上る「効果」の話、また、統計的な部分(標本調査)についても触れています。
元々は解りやすく、と考えて執筆したものですが、色々な話題を詰めて、それをコンパクトにまとめようとしたので、却って掴みにくくなったきらいもあるかも知れません。それは私の力量不足です。それでも、科学について考える時に重要となるいくつかのポイントはきちんと押さえられたし、それなりに参考になるのではないだろうか、とは思っています。ここはこのように考えるのか、こんな見方があったのか、というように、多少でも、読んだ方にとってのヒントやきっかけとなれば、と願います。
分量は、新書1冊分を目安にしました。比較的気軽に読めるように、と新書程度の文章量にしましたが、それでも結構ボリュームがあると感じられる方もあるかも知れません。
「科学」というのは、結構話題の中で出てくる言葉なのに、その実際がどうなっているのかがあまり理解されていないものだと思います。私達の身近のものとは切っても切れないものなのに、その実態が知られていないというのは、好ましく無いと思い、本を書きました。特に昨今は、甚大な被害をもたらした地震と、それに伴う原子力発電所の事故に関連して、「科学(や技術)」がクローズアップされる事もよくあります。人によっては、あまりよく考えずに、科学に対して不信あるいは信頼の感情を懐く、という事もあるかも知れません。それを思うと、そもそも科学って何なの? どのように考えるものなの? という部分について、専門家で無い者が*1、自分の経験を交えて紹介する本は、それなりに需要があるのではないかと思います。本書が少しでもお役に立てるなら、著者としてとてもありがたいです。
*1:そこには、非専門家故の怖さもあります。書いてある事がどれくらい適切か、など。