放射線照射
これは、「今の所、現実的な対応として最も有望であろうと考えられるもの」といった位置づけなのだろうと思います。それによってどのくらいの効果が得られるのか、というのは、更なる検討や研究によって見出していくものなのでしょう。参照⇒牛肝臓の生食(「レバ刺し」等)に関するQ&A(Q2)
放射線照射については、安全性や品質に与える影響について、現段階では十分な評価がなされていないため、今後更なる研究が必要です。
要するに、仮に社会一般の了解が得られたとしても、それですぐに当該技術が用いられて安全の確保された生食用食肉が出まわる、という風にはならない訳ですよね。設備的な問題もあるでしょう。
にも拘わらず、現状としては、そういう技術がある事自体が恐らく周知されていない有様です。こういう有望なやり方がある、と知らしめ、それなら、と了解され、それでやっと実際の具体的な方法が検討される、というプロセスを辿るべきなのに、最初の段階にも至っていないと。
業界の人々は、この辺をどの程度周知させようと試みているのでしょう。マスメディアを通じて知らせるなりしている? 現段階では、ほとんど「これしか無い」と言って良いくらいのものなのですよね? 多分これくらいしか無いけれど、まだどの程度有効なのか未知の所がある、というもの。
なら、そういうものがある、と周知して社会の同意を得るべきではないでしょうか。もし本当に、安全な物を提供したいと考えるのならば。そうしないと「始まらない」のでは?
放射線照射というやり方について、今の日本では放射能や放射線に対する強い思い入れや思い込みがあるだろうから抵抗があるのではないか……みたいな見方もあるようですが、そんな事を、教える前に言ったってしょうが無いでしょう(懸念はしても良いが、だからと言って知らせる事に消極的になっては始まらない)。だって、他に有望な方法は無いのですよね。だったら、きちんと情報を提供して一般の判断を仰ぐのが筋ではないだろうか、と思うのです。それをしておかないと、研究も進めにくいでしょう。仮に、研究や実験が先行して知見が集まり、安全が充分確保出来るものだと結論されたとしても、その後で心理的に忌避されては元も子も無いのだから、そういう心理的な反発を覚悟した上で、「今の内に」社会に問う必要があると考えます。
「食べたい」と思う側も勉強が必要でしょう。安全確保のためのコスト増大による値上がりも甘受すべきでしょう。ただ「好き嫌い」のみで食品安全に関する規制についてものを言うべきでは無いと思います。単に、美味い物を安く食わせろ規制は嫌だ、と言うのは虫が良すぎる要求です。ある程度価格は上がっても良い、安全を確保する技術を適用して、場合によっては食味に影響が出る事も受け容れる、くらいの構えでいるべきではないでしょうか。