「母さん助けて詐欺」

最優秀は「母さん助けて詐欺」 振り込めに代わる新名称 - 47NEWS(よんななニュース)
そもそも、振り込め詐欺では実態を表現し切れていないから新しい名称を募集した、という流れですよね。で、この概念について着目する所は、対象手口、もっと細かくすると、

  • 誰に
  • どのような手段で
  • 何をさせるか

といった要素だと思います。振り込め詐欺は、振り込ませるという手口が表現されていますが、最近はそれ以外の手口のバリエーションが増えているという事で、より一般的な概念を指し示す名称を募集したと(警視庁の募集ページはリンク切れ)。
で、今回の公募で決まった最優秀は母さん助けて詐欺であった訳ですが、この名称、助けての語が入っていて、ここについては、より広い手口を含み得る言葉には確かになっています。けれど、その前の母さんの部分。対象が限定されています。もしかすると、統計的には、母親の立場の人がターゲットにされやすい、というのがあって(特殊詐欺(振り込め詐欺等)被害の実態(調査結果) :警視庁 によれば、女性の高齢者が被害者である割合が高いようです)、それを代表するような名称を採用した、みたいな事情があるのかも知れませんが、それだと、より一般的な事の呼び名を決める、というコンセプトには合わないよな、と思うのです。実際、警視庁のページ(振り込め詐欺 :警視庁)には、お父さん、お母さん おじいちゃん、おばあちゃんへ今すぐ教えてあげてください。と書かれてるし、その下には、警察官や銀行員を装う場合の手口が説明されています。
これならまだ、助けて詐欺の方が一般的だろうなと思います。もちろんそれだと、金融機関や警察を騙るという場合を表現し切れないですが(警察が助けてと言うはずが無い。むしろ、助けてあげるというアプローチ)、母さん助けてだと、あまりに限定され過ぎている、と思うのですね。