
みなか先生といっしょに 統計学の王国を歩いてみよう〜情報の海と推論の山を越える翼をアナタに!
- 作者: 三中信宏
- 出版社/メーカー: 羊土社
- 発売日: 2015/05/29
- メディア: 単行本
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一方,よく用いられるp値はデータから求められた検定統計量の値(ここではF値)が帰無仮説のもとでどれくらいの確率で生じるのかを示します.
という記述がありました(強調は私)。
この記述は誤りですね。p値とは、検定統計量の実現値が帰無分布において生ずる確率、では無く、帰無分布において、検定統計量より極端 追記:同じか、それより極端、と書いた方が良いですね な値が生ずる確率、だからです。
そもそも、帰無分布が連続型の確率分布の場合だと、検定統計量の実現値の生ずる確率というのはゼロになる訳ですね。累積で考える必要があるという事です。
統計の本で、このような記述があるものは結構見る時があるので、気をつけたい所ですね。
たまに、有意水準の意味で有意確率を用いているものもあり( 有意確率 (p-value) - SNP解析技術資料 | 株式会社ダイナコム )、こういうのは困りますね。
2015年6月10日追記:三中さんによる紹介サイトがあるので、リンクしておきます⇒http://d.hatena.ne.jp/leeswijzer/20150526/1432704001
三中さんご本人からコメントを頂いたので、参照下さい。