【メモ】値域その他

集合 A から集合 B への関数 f:A \to B がある時、集合 B の事を何と呼ぶか。

値域と呼ぶ場合があるが、その際には、A に属する要素の像の集合 f(A) を何と呼ぶか、という問題がある。Bf(A) も値域と呼び得るのでややこしい。※ f(A)B の部分集合なので、区別する必要がある

リプシュッツ『集合論』では、B終域(co-domain)と呼び、f(A)値域(range)と呼び区別している。

いっぽう、中島『集合・写像・論理』では、Bレインジ(range)f(A)イメージ(像:image)と呼んでいる。こちらでは、像を集合として扱っており、リプシュッツの本では、要素として定義されている。
ところが、中島の本では、要素の方をも像(image)と呼んでいる。記号としては、集合、つまりリプシュッツの本で言う値域の方は、\mathrm{Image}(f) と書き、それに属する要素は f(a)a は定義域 A の要素) と書き分けているが、音が同じなので、紛らわしいように思う。

いくつかの大学で用いられる講義資料を参照してみたが、両方とも像と表現しているものが結構ある。どちらかにだけ使った方が解りやすいと思うんだけど……。

他にも、一対一一対一対応は違う、という所や(両方とも一対一対応と言い、それを広義・狭義で分ける場合もあり、なおややこしい)、単射全射全単射、など、字面からは全くピンと来ないような用語の作り方で、苦労する。