過剰診断が無いが検診は無効、である場合

こういうのは、ある程度極端な例を考えると見えてきます。

特定の がんは、罹れば、ほぼ全ての例で進行が速く症状が発現し、その がん が原因で死亡する、とします。
しかも、その がん には、救命や延命が可能な治療法が全く存在しない、と考えましょう。

そうすると、仮に、大多数の人間に検診をおこなったとして、症状が出る前に当該の がん が発見されたとしても、そもそも良い治療法が無いのですから、早く見つけたとしてもどうしようも無く、命を救うために検診をする意味はありません。

また、ほぼ全ての人が、進行が速く、症状が出て死亡するのですから、発見された例が、将来症状が出ないはずのものを見つけた場合である、という可能性は、極めて小さくなります。

このような時、過剰診断は無いが検診も無効である、と評価出来ます。