検診をおこなうために必要とされる事2

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昨日の続きです。

臨床疫学 EBM実践のための必須知識 第3版

臨床疫学 EBM実践のための必須知識 第3版

この本(私が参照したのは初版)の183ページより引用します。

 二次予防の治療は一般的に,治療医学における治療と同じである.一次予防の介入のように,効能と効果がなければならない.もし早期治療が有効でなければ,どんなに簡単に発見できてもスクリーニングをする医学的問題としての価値はない.なぜなら,患者に何ら手助けしなければ早期発見は単に病気であるとわかった期間を引き延ばすにすぎないからである.
 二次予防の治療にとって別の重要な基準は,無症状でスクリーニング時に発見した場合には,症状が出現してから患者が医療機関を受診して発見された場合よりも患者の転帰はよくなければならないことである.もしこの2つの場合の転帰が同じなら,スクリーニングは不要である.

とても重要な事なので、よく弁えておくべきです。以下、この引用文を分解して見ていきます。

 二次予防の治療は一般的に,治療医学における治療と同じである.一次予防の介入のように,効能と効果がなければならない.

一次予防とは、病気にならないようにする予防の事で、二次予防は、病気の症状が出ておらず、軽い内に発見して、なるべく悪くならないように処置をおこなう、という予防の事です。前者は予防接種、後者は検診などが当てはまります。そして、二次予防についても、予防接種などと同じく、病気を無症状の内に見つけて、寿命を延ばすなどの効果が必要とされる、という訳です。

もし早期治療が有効でなければ,どんなに簡単に発見できてもスクリーニングをする医学的問題としての価値はない.なぜなら,患者に何ら手助けしなければ早期発見は単に病気であるとわかった期間を引き延ばすにすぎないからである.

早く見つけて治療出来たとしても、それによって延命したり、手術による身体への影響が小さくなる、というような効果が無いとすれば、その検診には意味がありません。病気であるとわかった期間の事を、リードタイムと言います。つまり、早く見つけても寿命を延ばしたり出来ないのに、病気であると分かる期間は延びる可能性があります。そうすると、自分が病気であると認識する事による心理的負担や、医療機関にかかる経済的負担、検査や処置に伴う身体的負担も、その分増してしまいます。

 二次予防の治療にとって別の重要な基準は,無症状でスクリーニング時に発見した場合には,症状が出現してから患者が医療機関を受診して発見された場合よりも患者の転帰はよくなければならないことである.もしこの2つの場合の転帰が同じなら,スクリーニングは不要である.

これは、再三言っている、効果があるかどうかという所です。症状に気づき、医療機関を受診してから何らかの処置を受けるのと、症状が無い段階で検診を受けて処置した場合の転帰に違いが無いのであれば、早く見つけて処置する事自体に意味がありません。そして、それを確かめる方法として、ある集団を、検診を受ける群と受けない群とにクジ引きで分け、その結果、両方の群で死亡の度合い等に違いがあるかを調べる、というものがあります(RCT: Randomized Controlled Trial)。それによって違いが見出されなければ、その検診に効果は無いと看做します。このようにして、検診の効果は測られるのです。