以前書いた、死亡割合と致死割合について説明した記事です。
当該記事では、専門的には峻別すべき用語が曖昧に用いられている事を指摘し、実際にはどのような概念であるのかを、図も用いて解説しました。
記事を書いてからしばらく経っても、結構読まれており、名取宏さんなども、時折紹介してくださっています。やはり、混同しやすい(と言うか、区別するものだと思い至らない)用語であり、まだまだご存知無いかたも沢山おられるようです。
そこで、本記事では、新たに、これら指標を、(棒・帯)グラフ的に示します。
改めて、各指標を説明すると、
- 人口
- 着目するヒト全体の集まり
- 累積罹患
- 一定期間内に、特定の疾病に罹ったヒトの総数
- 疾患特異的死亡
- 一定期間内に、特定の疾病に罹り、かつその疾病によって死亡したヒトの総数
- 累積罹患割合
- 一定期間内での、人口全体に占める、特定の疾病に罹ったヒトの割合
- 致死割合
- 一定期間内で特定の疾病に罹ったヒトの内、その疾病で死亡したヒトの割合
- 死亡割合
- 一定期間内での、人口全体に占める、特定の疾病に罹り、かつその疾病によって死亡したヒトの割合
上記のようです。ここでは簡単のために、罹患も死亡も、全ての数が把握出来たとしたら、と仮定しています。また、罹患割合や死亡割合が、ものすごく高くなっていますが、実際には、がんなどだと、示されるのは10万人あたりの割合になったりして、かなり見辛いですので、誇張してあります。
これら指標の違いをしっかり把握しておく事が、現象の理解、あるいは議論をおこなう際に重要となってくるでしょう。