映画『マトリックス』(第1作)を観た当時の感想
『マトリックス』の衝撃的な所?
はてな匿名ダイアリー(通称は増田)にこんな記事が上がっていました↓
「この世はほんとうの現実じゃない」なんてアイデアはそれこそ古代ローマのころからあるし、別に目新しいものじゃない。 日常生活に別の世界の住人が介入してくるなんて『世にも奇妙な物語』とかでもありふれているし、物語はすべてそうだといっても過言じゃない。 ビジュアルもよくあるサイバーパンクものだし……。 となると、残りはアクションの斬新さだけ?それだけでこのシリーズここまで引っ張ってるの?
映画史的にどうとかそういう難しい事は解らないし、特に映画ファンでも無いので、当時に観た感想を思い出して書きます。
ちなみに、最初に観たのは、友人とDVDでです。
ストーリー
確か、まあ、ありがちかなという感じだったと思います。友人たち含め、日本のアニメやマンガ、ゲームに浸かっていたのでそういう感想になったのでしょう。攻殻機動隊もエヴァも観ていたし、何か小難しい深遠ぽいものには馴染んでいた訳ですね。そちらから影響を受けたものであれば、ありがちであるとか、どこかで見たような、と感ずるのが自然なのかも知れません。
アクション
感じたのは、ハリウッド映画としては異色というのと、拙いが頑張っている、でした。私はジャッキー・チェンの映画をほぼ観ていたので、それを基準にして評価していました。キアヌ・リーブスもキャリー=アン・モスもトレーニングを積んで、いわゆるカンフーアクション的なアクションを見せていましたが、短期間(専門でやってきた人と比較してという意味)でこれだけのアクションを見せてくれるのは大したものだ、だけどやっぱり香港アクション(当時はこういう表現をしてた)に比べると見劣りするかな、となった記憶があります。
そういえば、ジャッキーがクリス・タッカーと組んだハリウッド映画の『ラッシュアワー』が、だいたい同時期(マトリックスの前年)の公開でしたね。
演出
私が一番に衝撃を受けたのは、ここでした。いわゆるバレットタイムと呼ばれる手法ですね。今は当たり前のように見るものですが、当時はびっくりしました。メイキング映像なんかも公開されていて、たくさんのカメラに取り囲まれて撮影されているのを見て、へーこういうやりかたがあるのか! となったものです。おすぎ氏などの映画評論家の人たちが絶賛したのも憶えています。ネオが仰け反りながら銃弾を避けるあのシーンは、真似されたりパロディが出たり、話題になっていましたね。
当時、あの手法はタイムスライスやマシンガン撮影と言われていたと思います。手法自体はもっと以前よりあったものでしょうけれど、それを前面に押し出して、ハリウッド映画としては異色のアクションやストーリーと組み合わせた所が、世間に大きなインパクトを与えたのでしょう。
PS2、DVD
私が観たのはDVDでですが、その頃はPS2が発売されて間もない時です。PS2はDVDプレイヤーとしての機能も持ち、当時としては格安でDVD鑑賞の環境が得られるという事で、普及の後押しをしていました。そこでよく売れていたのがマトリックスのDVDでした。また、DVDの高画質化と併せての5.1chのサラウンド環境構築、いわゆるホームシアターの喧伝もなされていた時期と記憶しています。そういうブームの材料としての象徴的タイトルでもあったのかな、と思います。
振り返る事
20年以上前の事なので記憶違いもあるかも知れませんが、だいたいこんな感じですね。当時に度肝を抜かれたものであっても後の人が見たらそうでも無い、なんてのはよくあるし、それで全然構わないです。ゲームなんかでも、FFがPSに参入してFF7が3DCGを採用して発表された時の衝撃、みたいなのは当時の人にしか解るものではありませんからね。今見たらショボいCGだし、別に3DCGを使ったゲームが初なのではありませんでしたが、そういう話では無い訳で。だから、当時の人間としては、その頃を振り返って、こんな感じだったよー、と書くくらいで丁度いいでしょう。