【メモ】円グラフその他

統計局ホームページ/統計を表現するための手引 国連欧州経済委員会ガイドブック仮訳 より、いくつか引いて、重要と思う所に強調+色付け

円グラフは一つの変数に係る構成比を示すことに使われるが、限られた数の項目だけ−通常は 6以内−を表示できる。一つの円内で異なる内訳を比較することは難しく、ましてや異なる円グラフ間でデータを比較するのはより難しいため、この種のグラフを使うことを多くの統計家が勧めていない。この問題点を克服するため、内訳に実際の値を表示することができる。グラフの凡例を不要とするため、カテゴリーの名前をラベルとして書き込める場合もある。内訳は大小ばらばらに並べずに、普通は最も小さいのから最も大きいものへという順序で示すと最も見栄えがよい<訳注:我が国では、構成比の大きな項目から始めて時計回りに小さな項目になるように並べることが円グラフ作成の基本と考えられている。>。
多くの場合、他のタイプのグラフ(例:棒グラフ)の方がより適切であるが、あるカテゴリーが全体の中で占める重要性を見せるためには円グラフは効果的なツールであるから、円グラフを完全に除外してしまうべきではない。円グラフは、以下の例のような状況を概観するにはよく適している。
パート2 統計を表現するための手引(PDF)

グラフ
画像には確かに千の言葉、千のデータ点に匹敵する価値がある。重要な結果を表現したり、プレゼンテーションを解説したりする際、グラフや図表は極めて効果的なものになりうる。
効果的なグラフは、分析的な見出しと共に明確で視覚的なメッセージを持つ。あまりに多くのことをさせようとすると、グラフは解読するのに骨の折れるパズルになる。最悪の場合には、あからさまな誤解を招くだけのものになる。
伝えたいことを読者がより簡単に理解できるように一層の努力をしよう。
良い統計グラフは、
 多くのデータ点を見せることで全体像を示す。
 一つの発見又は一つの概念を伝えるデータの「段落」である。
余計な情報、あるいは「non-data ink」や「chart junk」<訳注:いずれも、グラフや表の中で、データを理解する上でそれ自体は情報を持たない要素のこと>と呼ばれる気をそらす要素を避けることで、データを目立たせる。
 論理的な視覚的パターンを示す。
グラフを作成するときは、どのような種類のものがふさわしいかデータに決定させよう。例えば、時間とともに変化するデータには折れ線グラフ、分野別のデータには棒グラフを使おう。グラフに多くのものを詰め込み過ぎないように、グラフの主題となる文を書こう。
グラフの明瞭さを獲得するために:
 線種やデータ要素にはパターンではなく実線やべた塗りを使用すること
 折れ線グラフにデータポイントマーカー<訳注:折れ線上でデータ点を示すために使う●、◆、▲等の
マーク>を使わないこと
 読者が全体像を見る妨げにならない場合に限って、グラフ上にデータ値を示すこと
 縦軸を0から始めること
 一つのグラフにつき一つの測定単位だけを使うこと
 二次元データには二次元的なデザインを使用すること
 グラフ上のすべての文章は分かりやすいものにすること
○ 略語は使わない
○ 頭字語は避ける
○ ラベルは左から右に書く
○ 正しい文法を使う
○ 地図以外には凡例を使わない
パート1 数字についてのストーリーを書くための手引(PDF)

よくよく念頭に置いておく事。

リンク先で紹介されているガイドブックは、グラフについてだけで無く、データや統計をどう表現すれば良いのか、という事に関して、とても有意義な、参考になる資料だと思います。

ちまたには、Excelで効果的なグラフを描こう、的なテキストが沢山ありますね。3Dを駆使したり陰影をつけたりしてカラフルに仕上げるノウハウが色々紹介されています。でも、グラフの本来の目的、つまり、データのありさまを直観的に、かつ「正確に」表す、という事をよく考えてみるならば、どこまでそういった方法を使って良いものか、となる訳ですね。実際、アピールしたい部分を目立たせる、みたいなものもよくありますが、場合によってはそれは、得られたデータのあり方を歪めて伝えてしまう危険性もあるのですよね。いわゆるプレゼンテーション的な部分と、正確に情報を伝える、という所の兼ね合いが大切なのでしょう。

前に見たExcelのグラフの本では、3D円グラフは誤った印象を与える危険があるから、あまり回転させないようにしよう、的な注意書きがありました。なら使わなければいいのでは? などと思ったり思わなかったり。