2014-01-01から1年間の記事一覧

○周年

前のブログ開設から合わせて9年?ですかね。結構長くやってますな。 更新頻度は少なくなってきてますが、ぼちぼち続けます。読んで下さっている方には、これからも、よしなに。 今年の振り返りとして、読んで、良かったな、と思った本の紹介。 ▼プログラムは…

牧野淳一郎氏による伊勢田哲治氏の論の紹介、に対する違和感

牧野淳一郎氏が、次のような主張をしていました。 もちろん、伊勢田さんみたいな、科学と非科学に線引きできるはず、という立場をとるなら、なんかあることになるけど。 http://twitter.com/jun_makino/status/546180929253687296 強調は私が施しました。こ…

健康とは

「専門家」が私たちの「健康」を定義するのでしょうか? - Togetterまとめ←これ絡みで 手許にある、疫学・保健統計、公衆衛生学方面のテキストにおいて健康という概念がどのように解説されているか、という事の紹介をします。 ▼文献1公衆衛生―健康支援と社会…

南風原朝和氏の新刊(心理統計学)

心理統計学の超優良書である、南風原朝和氏の『心理統計学の基礎』心理統計学の基礎―統合的理解のために (有斐閣アルマ)作者: 南風原朝和出版社/メーカー: 有斐閣発売日: 2002/06メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 89回この商品を含むブログ (24件) を見…

えきがく

なとろむ(NATROM)氏が議論から逃げ出す前「なぜ化学物質過敏症に病理学的関心があるのか?」と問い質したところ「病理学的にではなく疫学的に関心があるだけだ」と答えた。ならばこの↓疫学的機能検査の測定と解析をどう評価するのだろうか。http://twitter…

【メモ】良さげな統計本

かなり良い感じの本があったので紹介プレステップ統計学I 記述統計学 (プレステップシリーズ14)作者: 稲葉由之出版社/メーカー: 弘文堂発売日: 2012/03/29メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るプレステップ統計学II 推測統計学 (プ…

【メモ】p値

有意確率というのは、帰無仮説のもとでの検定統計量の確率分布(帰無分布)において、得られた検定統計量の実現値が出現する確率では無い(標本分布が連続型である場合を考えるとよく解ります)。 ここを誤っている文章を沢山見つける。自分も書いた事がある…

化学物質過敏症の否定は

においに敏感に反応して症状を呈する事の否定に即なる訳ではありませんからね。そこを共有しておかないと、話は噛み合わない。

有害さ

血液型でもそうだが,迷信とか「ニセ科学」とかを「論理の構造」とか「科学的正誤」とか「信じる仕組み」とかから批判するのは筋が悪い。あくまでも「結果が有害であること」から批判すべきだと思うし,有害でないなら批判する必要はあまりない。http://twit…

解せない事

森下氏と野島氏は、数年前から懇意であったようなのに、勉強会の内容を正反対のものとして紹介する、という事情がよく解らない。これが初めての交流であった、とかならまだしも。事前にどういう実験を、どういう意図でもって行うか、くらいの打ち合わせは行…

エボラにホメオパシー?

ホメオパシー新聞: JPHMAホメオパシー新聞編集部から、エボラ出血熱について、由井会長にホメオパシー的対処につき見解を求めました。 エボラ出血熱に対してホメオパシーレメディのどれが有効か、というような事を大真面目に語っているもの。 これがどのくら…

道徳・フィクション・現象・言説

「江戸しぐさ」や「水からの伝言」は創作としてなら道徳教育の中で使えるか - dlitの殴り書き この種の話(私は江戸しぐさの事は全く知らないので、水伝を想定します)を考える時には、言説と現象とを分けて考えるのが重要ではないかな、と思います。 水から…

関連の型――見かけ上の関連(spurious association)と非原因的関連(noncausal association)

関連の型 しばしば話題にする、疑似相関や見かけの関連といった言葉の意味合いに関する事。私は、確かに関連(あるいは相関)はあるが因果関係に無いという関係の事を、非原因的関連と呼ぶのが良いのではないか、と、よく書く訳ですが、今回は、その語を知る…

議論以前の問題

あんまりだと思ったので。 なとろむ(NATROM)氏は「化学物質過敏症トンデモ批判」を終息し、撤退戦に入ったのでしょうか。やましい所がないなら、しかも本当の医師(内科勤務医)というなら、患者である私をブロックする必要はないと思いますが。http://twi…

実証科学における「証明」

実証科学の議論において証明という言葉を使う時には注意をしなければならない、というのは私がしばしば書く事ですが、サミール・オカーシャの科学哲学の本に、この点に関する明瞭な記述がありますので、引用しましょう(強調は引用者による)。 帰納法は科学…

誤解しやすかったり紛らわしかったりする統計の話達

統計の話題で、こういう誤りをよく見るなあ、とか、ここら辺はややこしいなあ、的なものを、エッセイ風に書いてみます。 各トピックの最後に、参考資料を紹介したりします。 色々な話題を扱うので、エントリー全体で、このくらいの知識を持っている層向け、…

告白

未だに Interdisciplinary の綴りをちゃんと憶えていない。

「文化」の変化

平成8年生まれの高校生だけど、文化の衰退が進んでいるような気がする ※追記あり 説得力皆無。 今も良いのが沢山ある、とか、昔もダメなものはあった、とか、そういう話では無くて(それはそれで、主張への反論には全くならない。その意味では、反応にも的外…

「科学的に正しい/間違っている」は後で

それまで得られた知見から全く外れた主張に対して、科学的に間違っているとか、科学的に正しい反論などと言うのは、後にするべきで。 それは、初めから科学的という言葉・概念に重きを置いている人には効果的かも知れないけれど(あっちよりこっちの方が科学…

「読んでもらいたい人には届かない」

NATROMさんの本の評価で、これを読んで欲しい人には届かないのではないか、という意見が見られました。先日の、「ダメな科学」ポスターに関してもそうですね。 私としては、そういうのは、言っても詮無き事であると思います。 そんな事を言う暇があるのなら…

【書評】層・射程――NATROM『「ニセ医学」に騙されないために』

「ニセ医学」に騙されないために 危険な反医療論や治療法、健康法から身を守る!作者: NATROM出版社/メーカー: メタモル出版発売日: 2014/06/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (34件) を見る買いました。 特に医学医療に興味も無い人…

ちょっとだけやわらかく噛み砕いてみる――『「ダメな科学」を見分けるための大まかな指針』

前置き 「ダメな科学」を見分けるための大まかな指針」のポスター - うさうさメモ usausa1975さんによる、A Rough Guide to Spotting Bad Science | Compound Interestの訳文のポスターバージョンが完成したそうです。 この訳文は労作で、その内容は、巷にあ…

「因果関係がない」ことの証明

「美味しんぼ」一時休載へ 最新号で「表現のあり方を今一度見直す」と編集部見解 19日発売+(1/2ページ) - MSN産経ニュース 美味しんぼ問題に関連しての記事です。で、記事に対する反応として、この中にある、 一方で、岡山大の津田敏秀教授(疫学、環境…

【書評】コンパクトな統計学史:『マンガ 統計学入門―学びたい人のための最短コース』

マンガ 統計学入門―学びたい人のための最短コース (ブルーバックス)作者: アイリーン・マグネロ,神永正博,ボリン.ファン・ルーン,井口耕二出版社/メーカー: 講談社発売日: 2010/04/21メディア: 新書購入: 11人 クリック: 77回この商品を含むブログ (12件) …

科学である事と真実である事。「その時点」での評価

ニセ科学批判する人って、科学の限界の境界から外側を、全部デマとのたまうのだけど。研究が進んで、デマとされたものが科学的に証明されたとしても、特に前言を取り消すでもなく平然としているあの厚顔さは何なんだろう。 http://twitter.com/ufg2011/statu…

論理

NHK高校講座 | ロンリのちから 中学、高校。そして大学、社会人になっても求められる論理的思考力(クリティカル・シンキング)を養う番組です。 と謳っていて、野矢茂樹氏が監修ときました。このようなコンテンツがNHKで放送され、WEB上で配信されるという…

効果とメカニズムと代替療法と標準医療と

※引用は原文ママ ほほぅ。標準医療と代替医療の違いは「原理がわかっているかどうか」でなく「効果があるかどうか」だと、NATROM氏が言ってるよ。西洋医療も「原理かわからずに施す処置」であることを、ことを認めるのですなhttp://twitter.com/dmburg/statu…

確率変数は関数

確率変数は関数である、という事が解りにくいのは、説明においてしばしば、いつの間にか標本空間が省略され、確率変数と確率との対応だけの話になっているから、ではないかと思います。本当は、ここをしっかり解説するのが良いのではないでしょうか。 たとえ…

確率変数は関数2

ほんの少し勉強が進んだので、以前話題にした、身長の分布について、今の私の理解を書いてみます。 まず、現実に存在する、ある領域にいる人々の身長に着目すると考えます。すると、その領域にいる人々全体を母集団と言う事が出来、そこに属する個体が持つ身…

確率変数は関数3

先のエントリーで紹介した本から、興味深い部分を引用してみます。強調は引用者によります。 ある実験において確率変数がどのように導入されるかをみるため,第3章の図1で与えた硬貨投げ実験*1の標本空間に戻ることにする.この実験で得られた表の数をxとす…