切り分け――ホメオパシー

kikulogにコメント書こうとしましたが止めました。

棄てるのも何なので、こっちに置いておきます。

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ホメオパシー療法の核となる概念・物体はホメオパシーレメディであり、それを与えるという要因に着目して研究した結果、その要因の操作は臨床的に意義のある効果をもたらさない事が判明した、というのが科学的・医学的な現在の知見です。異論もあるでしょうが、あるいは「結論」とも言えます。

それを踏まえると、ホメオパシーには「全く効果が無い」、と表現して構わないと思われます(レメディ概念を全く使わない「ホメオパシー」なる体系を主張しなければ)。
と言うより、「ホメオパシー療法の内”レメディに非特異的な”効果」があるかも知れない事をもって、ホメオパシーに効果が全く無い訳では……と評価すると、議論が混乱する虞もある、という事ですね。

ホメオパシーの議論をする際、その検討の題材の中心として、レメディという物(及び、それに纏わる思想・製法・材料・理論らしきもの、の総体)があるのは前提なので、そこを押さえておき、他の要因と切り分けて論ずるのが肝要と思います。
一応、「レメディには効果は無いが”ホメオパシー”にはプラセボ効果などがあるかも知れない」と表現する事自体は出来ますが、必ずしも「ホメオパシーの効果」を見聞きして想起される概念が一致しているとは限らないのは念頭に置きたい所です。

ホメオパシーを使う人の中にも、レメディに特異的な効果を信じて使う人もいれば、それが無いかも知れないと考えつつ使う人、あるいは、効果が無いとほぼ確信しつつ、その他の特異的な効果(社会的・心理臨床的ななにがしかの作用によって)がある事と思って使う人、などの種類があると思います。

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現代の医学・医療を忌避し、他の様々な領域に縋る、という心理について、その動機を議論するのは結構ですが、それ自体が確かめられなければならないものなので、データの基づいて慎重に検討する事が必要でしょう。一見尤もらしそうな意見があったとしても、それが事実と言えるためには証拠が要ります(別に、経験に基づく推論を蔑ろにするものではありません)。