二つの図のうち「ランダムな点の分布」はどちら? こう聞かれて,「左」と答える人もいるでしょう。実際は「右」がランダムな点の分布で,左は点どうしがなるべく重ならないように配置したものです。人は,ランダムである右の図から,“意味がありそうなパターン”を読みとってしまいがちなのです。 pic.twitter.com/tDiheQcUM6
— 科学雑誌Newton(ニュートン)公式 (@Newton_Science) August 21, 2018
このつぶやきを見て。
内容としては、2枚の、小さな円がたくさん描かれた画像があって、どちらの画像の円がランダムに描かれたものか、を問うというもの。 ここでポイントになるのは、ランダムとはという事ですね。それをどのように解釈するか。
という事で、作ってみました。
こちらは、ある範囲の画素全てに番号をつけて、全ての画素の出る確率が等しいようなクジを複数回引いて、当たったら、出た画素を中心とした小さな円を描く、というものです*1。
これは、標本調査で言う所の無作為抽出と同じです。ただし、重複を許す(つまり、円が重なる可能性がある)という点が異なります。
統計で、単純にランダムと言う場合には、このような、母集団に属する全ての要素がドローされる確率が等しいという意味で用いられるのが典型的です。今の例の場合、ある範囲内の全画素が母集団で、各画素が要素、ドローされた要素の集まりが、標本と呼ばれます。
こちらはちょっと違って、ある範囲の全ての画素について、成功確率が一定のクジを引き、当たりが出たら円を描く、というやりかたです。
こちらも、一定の確率に従って円を描く、という意味では、ある種のランダムである、と言えますね。
Newton誌のつぶやきにある左側の図は、左は点どうしがなるべく重ならないように配置したもの
という事で、各画素において円が描かれる確率が一定で無いの意味で、ランダムで無いと言っているのだと思われます。それは、円の描かれかたが確率的で無いという意味合いとは、少し違います。
↑ こちらでは、色々な確率的アルゴリズムを使って、円を描画してくれています。なるべく円が重ならないようにするアルゴリズムも紹介されていますね。
話を最初に戻すと、こういった確率的な仕組みの事を総じてランダムと表現出来るか、という事がポイントなのかな、と思います。これは、知識や語感の問題でもありますね。
*1:ちゃんと考えると、各座標値の出現確率が当確率であるような2組(x座標、y座標)の一様分布、の結合分布