【メモ】名古屋市の調査に関して

デザインと調べ方
  • 研究デザインは、人口ベースの症例対照研究
  • 標的集団は、名古屋市に住民票の存在した、中学3年生から大学3年生相当の年齢の女性
  • 調査対象者(目標のサンプルサイズ)は7万
  • 回答割合(達成されたサンプルサイズ)は40%強
  • 曝露は、HPVV接種(サーバリックス・ガーダシル)。期間は小学6年以降
  • アウトカムは、小学校6年生から現在までの期間有病
  • アウトカムの評価は、アンケートへの回答。有症状の自覚。つまり、臨床診断なされたものでは無く、症例登録に基づいていない
  • 現在も有症状であるかの質問。5件法
  • その症状で受診したか、という項目がある
  • アンケートの記入者は、本人・保護者・保護者と本人(保護者に相談して本人が記入)
関係しそうなバイアス
  • 症状がHPVVの副反応だと認識している人の方が返送しやすい
  • 上のような傾向の人が症状を思い出しやすい(リコールバイアス)
  • ただ、杖や⾞いすが必要になった⾝体が⾃分の意思に反して動くのような、症状自体が稀そうだったり重いものに、リコールバイアスがどのくらいかかるか、というのはある(恐らくかかりにくいだろう)
  • 保護者による症状の過大評価
  • 副反応と信じない・知らない 回答者の、症状に対する過小評価
  • アウトカムの評価が臨床診断に基づくものでは無いから、検討には、臨床疫学の専門科だけでは無く、心理学や社会調査のプロにも参加してもらうのが望ましい。リコールバイアスによる誤分類などは、本質的な部分に関わるので
  • 接種中止者への質問に、受けた後に副反応(副作⽤)が出たから副反応(副作⽤)の報道を⾒て⼼配になったからがあるのは気になる
  • 曝露評価にリコールバイアスはかかるか。注射した経験というのは、そう忘れないようにも思える

参考文献
名古屋市:子宮頸がん予防接種調査の結果を報告します(暮らしの情報)