はつたつだむかい
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上述したようなピアジェの考えは確かに,かなりのところ乳幼児期から就学前くらいまでの認知発達の基本ラインを捉えていると考えられる。しかしながら,近年,それを少し見直した方がよいという見解もあることを心に留めておこう。例えば,上で述べたような発達的移行はすべての子どもで一様に進行する訳ではなく,1人1人の日常経験のあり方によって,ずいぶんとその性質を変えることが明らかになってきている。また,自己中心性ということに関して言えば,もっと速い時期から他者の視点に立った思考が可能であることなどもわかってきている。例えば,3,4歳児でも相手が年下の子どもだとやさしくわかりやすく話そうとするし,また対面する他者に絵を見せようとすれば,相手から見て正立像になるよう上下をちゃんと操作して手渡すことができるらしいのである。
引用部は、小嶋・やまだ[他 著]『生涯発達心理学』(’00)P66・P67より
「発達段階説は〜否定」とあると、ピアジェが想定・研究した 分類と順序そのものが根拠を失った、という風に読めるように思いました。多分に語感の問題でもあるかも知れませんが。たとえば永野重史氏などはピアジェの論にかなり批判的であったりしますが、私としては、上記引用部のような認識や表現が妥当なのではないかな、と思っています。