科学とは

多義的な言葉。

方法

科学とは、方法を指す。その方法とは、実証的なものを言う。実証的とは、ある確かめたい対象について、他の人が同じように検討出来るように、経験によって得られたものに基づいて理論を記述する事を言う。具体的には、実験や観察、観測や調査などによって得られたデータを統計的に処理したり、現象を説明出来るモデルを作ったりする。そして、作った理論が良いものであるかを確かめる。確かめるのは、予測の当てはまりの良さであったり、技術への応用の成果であったりする。現象を数学的に記述する数量化のプロセスは、科学の重要な部分である。

知識、理論

科学とは、知識を指す。その知識とは、上記の方法によって得られた理論的な体系の事を言う。単に論理的に整合的に見える(矛盾していなそうである)ものを言うのでは無く、「証拠」によって支持されているものでなくてはならない。その証拠とは、性能の良い機器で測定された数値であったり、思い込みをなるだけ排した調査結果であったりする。経験によって得られるもの。「性能の良い」「思い込みをなるだけ排した」という部分自体が、それまで蓄えられてきた理論などによって質を評価される。
論理的に見えるが科学的で無い、という事がある。形式的に矛盾の無い、「可能である」世界が記述出来たとしても、「それまでに得られた証拠に合わない」ものは、科学の理論とは言わない。従って、論理的なら科学的だ、とはならない。

制度

科学とは、制度を指す。その制度とは、他者の論文を審査してふるいに掛けたり、といったものである。人間は、意図せず誤り得る存在なので、他者からの批判的検討を受け、知識をブラッシュアップしていく必要がある。当然、方法と制度とは重なり合う。専門家集団で誤りをふるい落としていくという構造は、制度であるし方法でもある。