コイン投げ
種類の違う2枚のコインを投げる実験を考える。それぞれのコインについて、出現し得る帰結は、表と裏の2種であり、他は無いとする。
いかに全事象が規定されるかは、その実験のどの部分に着目するかによって変化する。
2枚のコインの表裏に着目する
単純帰結は、
- 表表
- 表裏
- 裏表
- 裏裏
の4種類。全事象は、これらを要素とする集合、すなわち、
表が出た枚数に着目する
枚数に着目なので、単純帰結は、
- 0[枚]
- 1[枚]
- 2[枚]
の3種類。したがって全事象は、
コインで同じ面が出たか否かに着目する
単純帰結は、
- 一致
- 不一致
となり、全事象は、
基本的な全事象
全事象は、他の全事象とよりも多くの情報を持つ。との根元事象(単純帰結のみが属する部分集合)は、の複合事象である。その意味で、はとより基本的な全事象であると言える。これまで見た3種類の単純帰結全部に関心がある場合には、より基本的な全事象であるを選択する。
参考文献
※参考文献では、基本的な標本空間 (fundamental sample space)
と表記されているが、標本は統計学的の重要概念であるから、ここでは全事象とした。