【メモ】検査性能指標の言い換え
精度
定義
正判定総数は、正陽性数+正陰性数
他の用語
- 正診率
- 正確度
- 正解率
考察
- そもそもaccuracyを精度と表現するのが良くない
- 文献によっては正確度で、むしろそちらのほうが適切。精度はprecision
- 統計学や誤差論の用語とぶつかる
別所で最近、感度と特異度の相加平均を精度と言っているのを見たけど、その量は、疫学や医療統計の文献では見た記憶が無い。分野によっては平均正解率なる指標。正解率平均のほうが良い気もする。
ブクマで見たのは、balanced accuracyなる表現。機械学習方面?で用いられるらしい。
感度と特異度をそれぞれ、保有と非保有を分母にした精度(正診率)と表現する場合がある(後述)。ややこしすぎる。何種類精度があるのか。
言い換え案
- 正判定割合
- 総正判定割合
感度
定義
正陽性数÷保有者数
他の用語
- 有病正診率
- 真陽性率
- 精度(の一種)
考察
まず、保有か非保有での正判定の割合を精度や正診率と設定し、それぞれの部分での○○正診率、的に表現する。だから、精度の一つとしての感度、と看做す場合がある。正診率だと有病正診率。紛らわし過ぎ問題。 それだったら、陽性適中度を陽性正診率や陽性精度と表現するのか?
言い換え案
保有正判定割合
誤陰性割合
定義
誤陰性数÷保有者数
他の用語
- 偽陽性率
- 有病誤診率
考察
検査結果は診断とは限らないから、診の字は入れたく無い。判定で良い。確定診断の事を診断としたい場合などに不便だし、テストは診断とは限らない。他の指標にも言える。
言い換え案
保有誤判定割合
特異度・誤陽性割合
考察
感度・誤陰性割合にそれぞれ対応させる
言い換え案
陽性適中度
定義
正陽性数÷総陽性数
総陽性数は、正陽性数+誤陽性数
他の用語
- 陽性予測値
- 事後確率
- 検査後確率
- 適中の字が的中になる
考察
当たった程度を示すのに、予測値と表現するのはしっくりこない。しかし、PPVはその訳語に対応している。
事後確率・検査後確率の確率が、何の確率かちょっと解りにくい。陽性か陰性か。
言い換え案
陽性後保有割合
陰性適中度
考察
陽性適中度に対応
言い換え案
陰性後非保有割合
言い換え
当たり前ですけど、これは、用語をこのように変更して使うべきだ、て話では無く、説明や学習の際に、要するにこういう量だ、というのを、概念を語にそのまま反映させたかたちで表現して理解を助ける、との目的で作りました。
たとえば、検査数に占める陽性数の割合を、陽性率と表現しますけど(新型コロナウイルス関連でよく出ます)、それを含んだ用語が既にある(真陽性率・偽陽性率)訳で、ものすごく解りづらかったりします。分子も分母もそれぞれ違いますしね。だからたとえば、総陽性割合のような語にするほうが理解しやすいのではないか、と思うのです。
率と割合
率・比・割合は明確に分けたい所。
たとえば感度だと、その指標が割合だと判っていれば、陽性数÷保有数 の陽性数が正陽性数の事だと把握出来るけど(分子は分母の部分集合だから)、そうで無ければ、総陽性÷保有数 も指し得ます。だから、そこを明確にするために、正陽性数÷保有数 のようにする。
他の指標
割合は、比較的直感的に把握しやすく、語にも反映させやすいですが、割合で無い比(割合を比の一種とするなら)が出てくると、途端に難しくなります。オッズ、尤度比など。