江本勝達はこう言った
※・強調は引用者による ・引用文末の「(P○○)」は引用元ページを示す
▼江本勝・MRA総合研究所 『波動と水と生命と』(PHP研究所 第1版第3刷) ※章ごとの著者は明記されていない。著者紹介によれば、著者は、
- 江本勝
- 柴崎勉
- 石橋和也
- 村田幸治
この書は科学における可能性と情報の最先端の部分を数多く含んでいます。
どうぞ、オープンマインドを以て本書の情報を読み取ってください。あなたが本書に関心を寄せられ、熱心に読まれるならば、人体とはいかなるものかについて、またそれに関連する科学の世界を広く理解するのに大いに役立つことと信じます。
7ページ、ロナルド・J・ウェインストックによる推薦文から引用。
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以下、I以後の目次から抜粋する。ページ等、一部は省略。
I 水はなんと不思議な物質か
水の惑星
氷が水に浮かぶ
4℃の水が一番重い
科学はどこまで水を解明しているのか
水の科学の歴史
水の最小単位
水素結合と水のクラスター
水は超高速で振動している
水と生命
現代科学でわからないこと
水を測る
水の科学は水を救えるか
II 新たな水の科学
新たな水の科学の萌芽
科学と真理
ホメオパシー療法とは
分子が存在しない希釈液とは?
なぜホメオパシー療法は効くのか?
III 水と波動
その時代の価値尺度
量子力学と波動
「超ひも理論」と波動
波動とは何か
共鳴現象
「虫の知らせ」の科学
MRAとは
「病は気からの科学」
波動水とは
水が波動を媒介する
水のない所はあるのか?
真空はあるのか
水とエーテル
IV ロレンツェン博士の共鳴磁場理論
日米オープンセミナーからの報告
水分子の輪のエネルギー
水分子のネットワーク
水の持つ共鳴磁場
水が情報を記憶する
細胞信号の変換
DNAと水
タンパク質と水
波動を伝えるタンパク質構造
病気・老化とタンパク質構造
細胞の共鳴
細胞エネルギーの確認
波動を伝えるネットワーク
波動の伝達
生体分子の情報受発信
細胞間の情報交換
共鳴磁場水の目的
MRAと波動水(共鳴磁場水)による波動修正
ケース・スタディ
水が薬になる時代
パリの実験治療
メキシコでの臨床実験
共鳴磁場水「Dr.Lorenzen」シリーズ
V MRA総合研究所からの報告
化学変化と波動
化学変化はなぜ起こるのか?
触媒の作用とは何か
化学変化と波動
化学変化を決定する因子とは何か
化学変化と水
波動を映像化する
雪の結晶
氷の結晶を撮る
波動が氷に現れる
波動と結晶
氷の結晶の陰と陽
六角構造の水と生命
温度と波動
温度とは何か?
VI 水と波動と未来
水は歴史を記憶している
水の未来のために
水と波動研究の方向性
水と波動研究の今後
水と波動と未来
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物質面からとらえた科学では説明しきれないことがあること、そして、科学の世界において今までの科学では説明できない現象やその報告がなされた場合の科学界の反応ということが、典型的な例としておわかりいただけたかと思います。(P62)
バンヴェニストによる「実験」の紹介の文脈。『あなたの細胞の神秘な力』という本から引用し、科学界の姿勢を批判している。
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MRA総合研究所では「波動」という新しい価値尺度における研究を行っています。波動という言葉は古くから一般的に使われていますが、二十世紀初頭より発展してきた量子力学という物理学において、科学的な解釈が行われてきています。ただし、その世界では私たちになじみのない言葉が使われていますので、なかなか一般化されませんでした。私たちのこの研究の目的の一つは、この難解な世界を誰でもが理解できる言葉に置き換えるということです。(P72)
本書は江本らによる「波動」の概念を説明するという主旨で、物理や化学の歴史を辿りつつそれについて解説するという流れであるが、たびたび「量子力学」などが援用される。
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今世紀初頭に始まった量子力学の世界は、アメリカでニューエイジやニューサイエンスの動きを生み出してきました。次に述べる波動の概念やMRA、共鳴磁場水といったものはすべて、この量子力学をその科学的根拠に置いて開発されてきました。
私どもが日本において拡げている波動概念や、船井幸雄先生を中心とする新時代に向けたムーブメントといったことも、この流れを受けていることになります。
量子力学がスタートして約百年近くを経て、やっと量子力学に基づく新しい価値観が私たちの生活レベルに入り込んできつつあるということになります。(P76)
「量子力学」の援用。それを「科学的根拠に置いて」開発したという。つまり、科学の流れに乗っていると主張していることになる。
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この部分、”リー・H・ロレンツェン博士の長年にわたる研究を集大成した共鳴磁場水「Dr.Lorenzen」シリーズ”(P147)の「実験治療や臨床実験」(P147)の紹介で用いられている語の引用(P147-151)。
パリの実験治療
主にガンと関節炎が対象となり、ガンは一重盲検法、関節炎は二重盲検法で行っている。
その驚くべき臨床データ
水の科学の新時代の到来といえます。
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水道水とクラスター化された水の差、あるいは波動情報の違いによる差が液体の水にあるならば、固体の氷へと状態が変化した場合、水蒸気が冷却されて液体の水として姿を現すように、液体の水の中では隠れて見えなかった情報の数々が、固体の氷の中に現れる可能性があるのではないか?(P178)
「波動を映像化する」という所の説明。まず、雪の結晶についての中谷の研究などが紹介され、続いて「波動」の情報により結晶の形状が変わるのではないかと考え研究を行った、と展開する。ここで紹介されているのは、各所の水道水、精製水、「共鳴磁場水」「MRAでコードを転写した共鳴磁場水」「MRAで波動を転写した水道水」、ミネラルウォーター、名水、「ルルドの泉の水」などを凍らせた物の画像。以後の江本の主張の萌芽がここに見られる。203ページには、
研究はスタートしたばかりですので、波動の種類と結晶の形についてはまだ結論を出すことはできません。再現性と客観性ということが今後の大きな課題で、波動ということを考えますと、実験環境をいかに一定にしていくかということが重要となります。
とある。
▼江本勝 『波動とは何か 科学と心の共鳴』(PHP研究所 第1版第1刷)
科学と心の共鳴
サブタイトル。
その答えは、それぞれの教えに対しての普遍的な証明が得られていない、という点にあると私は思います。特に”心の面においてそれを万人に納得させる術を得られなかった”という点にあると思うのです。万人が納得する方法、それは誰がどこでやっても同じような結果が得られる術でなければなりません。そして、さらにそれは目で確認できる方法でなければならないのです。
いわゆる科学的証明ということです。つまりは心の科学の確立による証明ということになります。この確立なくしては、人類は永遠に同じことを繰り返しながら、やがて滅亡をしてゆくことでしょう。(P10・11)
心身の相互作用?を解明するには、という文脈で。それを解明するために宗教が様々誕生したが、それらが教えについて「普遍的な証明」(P10)を得られていないがゆえに、未だ人類の平和や安定がもたらされていない、という流れ。だから「いわゆる科学的証明」が必要であると。
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以来、多くの共鳴者が誕生し、現在ある波動ブームが形成されていったのです。反響が多くなればなるほど、私の研究は進んでゆきました。波動の相乗効果であり、共鳴現象です。そして、かつて人類が悩み続けてきた物と心の接点とその関連性について、科学的スタンスにおけるその解明と、証明の技法とも言えるべきものに辿りつくことができたのです。(P12)
江本に影響を与えた人間
- ロナルド・J・ウェインストック:MRA(共鳴磁場分析器)を手に入れるきっかけ
- 大橋正雄:大橋の著書によって、”「あ、MRAって波動を測定する機械なんだ」と直感”(P11)
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理論的には水分子以外の一個の分子も含まないはずの水が、生命体に働きかける何らかの力を持っている――少なくとも、事実はそう語っています。(P33・34)
ホメオパシー、及びバンヴェニストの「実験」の紹介の流れで。そして同じページで、
二年程前から、私のMRA総合研究所では、各地で採取した水道水や自然水、さらにMRAによって特定の波動を転写させた「波動水」など、さまざまな水を氷結させ、その結晶を写真に撮るという実験を始めました。もし水に波動情報を保持し伝達する能力があるならば、液体状態の下では見えない情報が、固体の氷の中に現れるのではないか。そんな期待を抱いて始めた実験です。
今までに七百種余りのいろいろな水の結晶写真を撮り続けてきましたが、まさにその目論見は的を得ていたのです。各々の情報の違いや採水場所の違いによって、水の氷の結晶は、ものの見事にその違いを示してくれました。そして、コントロール水に対しての同一の波動転写をした水の氷結写真は、その撮影の日時が異なっても、再現性のあることが確認されたのです。
と続く。すなわち、水が情報?を記憶?し、それに応じて結晶する、というロジック。そしてそれには「再現性」があるという。
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○希望の持てる内容。科学的に解説してあり大変興味有り。(福岡、四十六歳の会社員)
P49より。江本の著書、『波動学のすすめ』の読者から送られた葉書の紹介。
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そしてここにおいて、注意をしなければならないことが、医師法や薬事法などの現行法に抵触しないでこれを行うことです。現在私達が行っていることは、医療行為ではありません。あくまでも健康相談の枠を越えるものではありません。なぜならば、私達は一切の薬品を使用していないし、波動という概念はまだ医療分野においては、その存在すら正式に討議されていない、即ち、医療の概念とは、全く別の世界の概念であるからです。(P64)
企業理念として「波動教育」を掲げ、それは決して医療行為に類するものではないと強調。直後に、敢えて分類するとすれば「よろず相談所」「ざんげ所」となると言っている。
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そこで、これらのネガティブな波動を中和し、輝かしい二十一世紀を迎えるためにも、皆様のような「波動」という宇宙の仕組みを科学的に解明し得る世界に、いち早く関心を寄せられた方々のご協力をお願いしたいと強く願う訳です。(P70)
「波動インストラクター制度」の発表にあたり、その応募の呼びかけとして出された文章において。関心を持つ者の先見性をたたえると共に、「波動」が普遍的な原理であることをアピール。
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今まで波動の世界は、科学では量子力学という世界のみで論じられ、一般には理解しがたいものでした。かたや一方では、宗教や哲学といった精神世界で長年論じられて参りましたが、科学的な立証が難しく幅広く受け入れられませんでした。ところが、MRA(共鳴磁場分析器)という最新テクノロジーの出現と、この技術の応用開発に天才的な能力を発揮した江本勝会長を通じ、超ミクロ世界の分析が可能になり、波動の世界が次々に明らかにされて参りました。
この大宇宙や地球の仕組み、人間・動植鉱物の仕組み等々、この世の中にはまだまだ解明されていない不思議なことが限りなくあります。これらを科学的スタンスで探求していくことは、今後の人類に限りない福音をもたらすこととなります。(P71・72)
「インストラクター課 関泰一」による「波動インストラクターの役割を歴史的に見る」と題した文の一部。「量子力学」「テクノロジー」といった語が見える。後段では「科学的スタンスで探求」とはっきり書いている。
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「波動科学」というような難しいテーマは、どうしても庶民的になれません。そしてそんなことを研究している江本勝という男もまた、固い人物だと思われる傾向にあります。(P190)
国際波動友の会の会報『HADO』を紹介する流れで。
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煙草には、煙草の良いところがちゃんとあるのだよ。人間というのは、それほど馬鹿ではない。彼等が三百年以上も続けている長い習慣には、絶対的に悪いものなどひとつもないとぼくは思っている。煙草にも、なぜ人々がそれをたしなんできたかという立派な科学的理由があり、それは現在でも継続しているんだよ。(P197)
『HADO』で連載された、「波動共鳴(はするぎともなり):江本のペンネーム」の記事より。タイトルは、「煙草の波動」。後には、「金属毒素」「金属毒素の波動」「金属毒素を体内に多く持っていればその人には煙草は有用」「煙草の波動が金属毒素の波動を中和」(引用ではなく要約)、などといった内容の文が並ぶ。
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この本において、「音楽を聞かせて凍らせた水」が登場する。上記の「はするぎともなり」の連載「音楽と言葉の波動」の再録。巻頭には、「バッハのゴールドベルク変奏曲」「ショパンの別れの曲」「ヘビメタ」を「聞かせて」凍らせた物の画像が掲載されている。そして、
精製水にワープロ文字「ありがとうございます」を貼ったあとの結晶
「ばかやろう」というワープロ文字を貼ったあとの結晶
が載っている(巻頭、結晶写真のキャプションより引用)。
ちなみに、212ページでは、ガンの方にショパンの『別れの曲』を聞かせれば良いと思ったと書いている。理由は、その曲を聞かせた後の結晶は小さく分かれたから(よって、ガン化した細胞を「分離させ得るようなエネルギーを持っているかもしれない」(P212))
▼江本勝 『水は語る』(成星出版 第一刷)
さっそく当時の研究所職員だった石橋和也君に、この実験にとりかかるよう指示をしました。彼はその年の一九九四年の四月に私どもの総合研究所に入所したフレッシュマン、熊本大学では応用科学の博士過程(原文ママ)を終了(原文ママ)して学位を得た、正真正銘の科学者です。(P15)
そもそも、「この本は写真集『水からの伝言』の解説版的目的をもって出版されたもの」(P12)である。引用部は「『水からの伝言』が生まれるまで」と題された部分から。
この節において、まず江本は、MRAを手に入れ「波動コンサルティング」(P13)を行い、「健康回復法」(P13)が有効であったことを示し、「四〇〇〇名以上の方々が私の事務所を訪れ、いろいろな病気を高い確率で克服されていった」(P13)ことを紹介する。そして、「水だけでなぜ病気が治るんだろう?」(P14)という関心から、「水というものがある特定の情報を運んでくれるのに違いない」(P14)と考え、さらに、ある本に書かれていた「雪の結晶には二つと同じものはない」(P14)という記述から、その(結晶の形状が異なる)理由が「”情報の違い”」(P14)によるものではないかと閃き、石橋に「実験」にとりかかるよう指示したという(上記引用文)。
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私たちの氷結結晶写真の実験はまさに、この「地球上で私たちと人間とが共存するために必要な科学」に該当するのではないだろうか、と思います。(P37)
この部分、村井健司による『音楽を聴いた食品たち』という本の一節を引用した後に書かれた文。村井の本では、食品製造時に音楽を流すことにより高品質の製品が出来ると主張されているらしい。江本はそれを、自身の結晶写真撮影になぞらえ、「やはり同じようなことを考える人がいるものなのだな」(P36)と見る。ちなみに、「水に音楽を聴かせる」というアイデアは石橋によるものらしい。
この実験のアイディアは、そのときまで私の指示どおりのものを撮りつづけていた石橋君から出されたものでした。ある日、彼がこう言うのです。
「所長、水に音楽を聴かせたらどうでしょう。コントロール(標準)の水を決めて、いろいろな音楽を聴かせて、その事前と事後の結晶の変化を見るのです。(後略 P37)
水が波動情報を記憶し、それに応じた結晶を作る、と考えたのは江本で、具体的に、音楽を聴かせて結晶を作ればどうか、と提案したのは石橋であるということ。
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そこで、「水に文字を見せたらどうなるだろうか?」ということを実験してみました。まさか、文字の影響が水に表れるなんて、信じられないことでしたが、深く考えずにやってみました。
常識では考えられないことでしたが、同じ水を二つに分けて、ガラス瓶に入れ、いっぽうには「ありがとう」、もういっぽうには「ばかやろう」というワープロ打ちした紙を貼りつけて、一晩放置したものを氷結させると、結晶の形に明らかな違いを見ることができたのです。
誠に信じがたい話ですが、追実験しても同じ傾向が見られます。中身を知らせずにほかの担当者が撮影した場合も結果は同じです。水は謎に包まれた物質です。(P46)
水からの伝言を象徴する、「ありがとう」を見せたら綺麗な結晶が出来た、というエピソードの始まり。いわゆる「言霊」から類推してこの「実験」を思いついたようだ。そして同ページには、
”水に音楽を聴かせる”までは、なんとかわかるにしても、”文字を見せる”というのは、「もうこれはオカルトの世界ではないか」と思われる方もいらっしゃることでしょう。でもまあ、もう少し辛抱して、おつきあいをしてください。まず最初に「愛・感謝」という文字を水に一晩見せて、それを凍らせ写真撮影してみました。それが左の写真です。
と続く。オカルトと思われるかも知れないが、まあそう慌てずに聞いてくれ、といった具合に続いている訳である。
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もう一つは、微生物たちもちゃんと言葉を聞いているし、その言葉の持つ意味もわかっているということが、この実験の結果によって知らされました。ご飯が黒くなり、鼻がひん曲がるような異臭を放つようになった直接的な要因は、人間にとって害となる微生物(悪玉菌)が大量に増殖したことです。(P60)
いわゆる、「ご飯の声かけ実験」の説明。この「実験」を行ったのは、江本の組織、国際波動友の会の会員。時期的には、江本らの文字見せ実験と同時期のようである(P58参照)。その会員は、一ヶ月間、子どもに声をかけさせたという。
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以下、「再現性の問題と精製水の氷結写真」という節より引用。最初は石橋による報告の紹介。次に、江本による説明。おそらく最重要の部分の一つであるので長めに引く。
<実験にかなり慣れたころに、再現性の問題を指摘する意見が、外部からたくさん寄せられました。ちょうど、「実験の基準水となるもの(いつも同様な氷結結晶が得られる水)が必要である」と江本所長からもアドバイスを受けていましたので、同一メーカーの同じロットの精製水を、繰り返し氷結させることにしました。
その結果、雪の結晶と同じように、氷の結晶の場合も同じものは得られませんでしたが、多くの資料水を氷結させると、結晶化率(六角形を基本とする結晶がどの程度できあがるかを示す)において再現性が見られました。さらにMRAで同じ波動情報を転写した水を氷結させると、結晶の形に類似性が得られることも確認できました。つまり、実験の再現性が確認され、さらに波動情報が形を作り出すという事実関係がつかめました。(P73)
つまり、江本(や石橋)らの「実験」によって、「波動情報」が氷の形状に影響することが確認され、それは「再現性」あるものと判明した、ということである。この後には、江本による「再現性」概念の解釈が書かれているが、興味深い部分なので引用する。
現代の科学では「再現性」ということを重視しますが、その再現なるものが、”同じものが再び現れる”という意味合いなら、これは逆に、まったく非科学的なことと言わざるをえません。そういう意味で言うならば、自然が教えてくれているように、何一つ同じ物体や出来事は再現していないのですから、むしろこの言葉、「再現性」は別の言葉、たとえば「類似性」あるいは「相似性」などに改められるべきだと私は思います。
私どもの水を凍らせて結晶写真を撮る技法も、そういう意味では絶対性を持つものでは今のところありません。しかし、これは単なるイメージだけでなく、現実に「機械であるカメラがその存在を捉えた」という事実は厳然と残っています。これは心霊写真でもなんでもない科学的事実です。ですから、実際に得られた映像を私どもがどのようにこれを考え、評価していくか、それも多くの研究者たちによって試されるべきなのですが、そのことがとても重要であり、本当の科学的な研究として評価されることになろうかと思います。(P77・78)
今ひとつ判然としない所があるが、江本の「再現性」についての独自の解釈と主張が展開されている。つまり、
- 「再現性」とはそっくりその物が現れることではない(そうだとすればその考えは「非科学的」である)。
- 自分達が撮影したものは「科学的事実」であり、それは江本が言う所の類似性や相似性を示す。
- さらに、それを他の研究者が追試していくことこそが「科学的な研究」である。
という主張。
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○「いと小さき人間なれど魂は全大宇宙に感応するなり」というお歌がそのまま実証された写真集に思われました。水にも植物にも動物にもすべてに人の気が伝達され感応している事実が実証された(科学的にも)ものと感動しました。(男性、六七歳、教員)(P92)
○見えない世界が科学の力で明かされていく。小学校の養護の先生をしている知人に紹介したら、自分もほしいと言っておりました。子どもたちに対してまだまだ取り組むことがいっぱいあるんだと言っておりました。(男性、二五歳、団体職員)(P115)
『水からの伝言』の読者から寄せられた感想文の紹介より。読者が科学だと認識したこと、それをそのまま掲載していることが見える。そして江本はある感想に対し、
言霊というのは、おっしゃるとおり、共鳴の原理によって成り立っているんです。したがって ”しんき臭い” あるいは ”宗教っぽい” ものではなくて、立派な科学だと私は思っているんです。(P103・104)※引用書ではこの部分はゴシックだが、引用にあたりはずす。強調は引用者による
と返している。「ものではなくて」、「だと私は思っている」。
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まず次ページの写真ですが、これはミステリーサークルの写真の上に蒸留水を置いて一晩たったものを氷結させ、結晶を撮影したものです。
私たちは、このミステリーサークルがなんらかのメッセージを送っているのではないかと考え、その意味を求める手がかりとしてこの実験をしました。ところが、なんとご覧のように、得られた映像は、どう考えてもいわゆるUFOの形をしたものばかりだったのです。(P145)
その写真は、水伝シリーズにも掲載されている。つまり、「ミステリーサークル」による「メッセージ」が「蒸留水に転写」され、それによって「いわゆるUFO」の形状の結晶写真が得られたという。
▼江本勝 『水は答えを知っている その結晶にこめられたメッセージ』(サンマーク出版 第二刷)
多くの部分は、前掲の本と重複した内容。結晶が言葉に応じた形を成すことについて、江本により独自のメカニズムが語られている。
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このことを私は、アインシュタインが相対性理論で述べた公式、E=MC2を用いて説明しています。この公式には、もう一つの意味がかくされているのです。
E=MC2というのは、一般的にはエネルギーは質量×光の速度のニ乗とされています。(原文ママ)。このうちCを、私は光の速度ではなくコンシャス=意識と解釈します。Mは質量ですから、意識をもつ人の数だと思えばよいでしょう。(P189)
「このこと」とは、江本らによる「琵琶湖浄化」のこと。その実験とはすなわち、「三百五十人もの人が声を合わせて大断言が唱和」(P188)されることによって琵琶湖の藻が現れなくなった、というもの。※「よって」とは”江本の解釈”である。この「実験」については、「琵琶湖浄化 江本」などで検索すると色々出てくる
その現象(繰り返すが、江本独自の解釈である)を説明するのに「E=MC2」を援用したという流れ。江本によれば、その説を江本に教示したのは、ベトナム出身の「精神免疫論学者」のホワン・デュークであるという(P190参照)。
この後で、「祈りの言葉と思念によって湖の水が浄化」(P191)されたことの「科学的裏付けがほしい」(P191)と言い、そのヒントが得られたと江本は主張する。それは、「水中のダイオキシンを超音波を流すことにより分解」(P191)というタイトルの、ある新聞の記事だという。つまり、「大断言を唱和」したことにより超音波が発生し、それが湖を浄化した、という仮説。この部分については、別の本でも紹介されている。『水からの伝言 vol.3』によれば、その新聞記事は産経のもので、超音波によるダイオキシンやPCB分解の研究を紹介したもので、江本はそれを引用した上で、
わたしの理解とは次のようなものです。
わたしたちが発した声は、おそらく300Hz程度の振動であったろうと思います。しかし、それは非常に純粋でした。なぜなら参加した全員が塩谷信男先生を敬愛していたからです。しかも明け方の4時半です。環境的にも干渉波動はなく、その振動は言霊に導かれて宇宙のエネルギー帯に向けてまっしぐらに飛んでいったのでしょう。そして、600Hz、1,200Hz、2,400Hz、4,800Hz、9,600Hz、19,200Hz、38,400Hz、76,800Hz、153,600Hzのそれぞれの波長帯とオクターブの理論により、「共鳴」と「エコー現象」を繰り返しながら、最終的にダイオキシンやPCBを分解してしまう周波数帯と共鳴して、それを目の前の琵琶湖の水に呼び込み、大阪府大の実験と同じ現象を招いたのではないか、と考えたのです。
以上の考察は言霊という、どちらかといえば宗教的な現象を、「振動の原則」という科学的な尺度によってはじめて解説したものとして、将来的に認められるのではないかとわたしは自負しています。『水からの伝言 vol.3』(P143)より引用
こう主張する。つまり、大学の研究で見出された現象と同一のものが祈りによって起こった、という。そこでは、超音波や周波数などの概念が援用されている。
▼江本勝 『自分が変わる水の奇跡』(青春出版社 第1刷)
「愛・感謝」の欠如によって人類全体の調和が乱されたとき、たとえば大地震や大津波といった現象が起きることもあります。悪しきもの、あるいは悪しき現象は、「愛・感謝」のバランスの乱れによって起きるのです。
もっとも、いきなりこんなことを言っても、「そんなの信じられないよ」と言われる人もおられることでしょう。確かに、これはまだ確固とした科学にはなっていません。一種のファンタジーと考えられるのかもしれません。
しかし、どんな科学も、出発点は夢やファンタジーでした。それが、時代の進歩によって証明され、科学として確立されていったのです。(P20)
強く科学を意識した記述。水の結晶写真についての説明の流れで。江本によれば、「愛・感謝」の言葉を見せた結晶が最も美しいという。
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この本には、江本による独自の論が鏤められているが、既存の科学の用語を援用したものが多く見られる。たとえばこんな具合である。
意外に思われるかもしれませんが、メールで書いた文字は、会話や手紙以上に身体に多大な影響を与えます。
実は、人間の神経レベルの振動と、インターネットのメールや掲示板の電磁波の振動(原文ママ)というのは、ちょうど一致しているからです。
手で書いた文字や印刷された文字ならば、神経レベルに共鳴するほどの細やかさはないので、その内容が脳や神経に及ぼす影響は限られます。
しかし、電磁波によって書かれた(原文ママ)文字の振動は、人の脳神経細胞のレベルの振動とぴったりと同調してしまうので要注意です。メールに「大嫌い」などといった悪い言葉を書かれると、受け手は病的なまでにその言葉をすり込まれてしまう可能性があります。逆に、いい言葉を使えば、すばらしい効果が望めるのです。(P183)
電磁波、神経、細胞、といった、物理学や生物学の用語が並ぶ。そして、それを独自に使用・解釈して電子メディアの影響について評価を行っている。他にも、
水とは、神なるものが特別に設計された、異次元空間と結ぶ”半導体”ではないでしょうか。半導体というのは一種の比喩であって、半身がこの三次元界にあり、半身は高次元世界にあることを意味しています。(P201)
こういった記述がある。
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江本らの行った「実験」に関しては、FSM氏のブログで詳しく考察されているので、そちらも参照されたい。
水からの伝言|ほたるいかの書きつけ
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2010年7月2日:
細かい誤記を修正。