累積罹患率
累積罹患率(cumulative incidence rate)の定義は、対象期間中の新規発生数 / 対象期間開始時における危険人口(リスク下集団:population at risk:PAR)*1という割合。名前は率だけど割合。分母は時点での人口。分子は、再発は数えない。再発を数えると、理論的に100%を超え得る。
分母は開始時人口だけど、分子は終了時の累積罹患数、というのがややこしい。点有病割合は、分母と分子が同時点の指標。
日本語的に、累積◯◯だと、◯◯を累積したと読めて、今の場合、罹患率を累積したかのようになって、どうも気持ちが悪い。それで、実際にはこの指標は割合だから、累積罹患割合、とでもしてみる。でこうすると、さっき書いたように、割合を累積したもののように見えてしまう。統計における累積相対度数のように。今見ている指標は、累積、罹患割合では無く、累積罹患、割合である、と言える。
で、術語に読点を入れると使いにくいので、並び替えて、
- 罹患累積割合
- 罹患累積数割合
- 罹患数累積割合
のようにしてみるのはどうだろうか。
*1:観察開始時を強調するならば、initial population at risk