ゼルダの感想
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』
- 出版社/メーカー: 任天堂
- 発売日: 2017/03/03
- メディア: Video Game
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クリアしたので。
本当に、よくあれだけのゲームを作り上げたものだ、と思いました。
つらつらと感想
※以下、本タイトルを単に「ゼルダ」と略します
※ラストまでの内容について書きますので、未プレイ・未クリアのかたはご注意ください
グラフィック
モデリング・モーション・レンダリング、全てにわたってよく考え込まれ、作り込まれている、と感じました。 前にも書きましたが、モーション、言い方を換えると動きですね。動きと動きとの繋がり、細かい動作の作り方、など。
最近は良いゲームが沢山出ていますが、まだまだ気を遣って作っていないな、と感ずるものも見ます。ゼルダの場合は、レンダリングはセルシェーダ寄りだけど動きは ある程度動物の動きを忠実に再現する、という方向性で、見事に独特の世界を作り出しています。トゥーンリンクからの表現が生きているのでしょうか。
馬などの動きもよく出来ている。走っている速さによって歩法が変化しますし、乗っているリンクも、馬の動きや周りの環境に応じて、視線や体勢がきちんと変化します。昔の、エポナに乗ったリンク、を思い出すと、感慨深いものがあります。
動物系の動きは、たぶん実際の動物の運動をよく観察して反映させているのでしょうね。神獣も、機械であるのに動物のような動きを表現出来ています。国内のゲームだとMONSTER HUNTERシリーズの出来が良いですが、あんな感じです。
人間の動きの面では、他の作品で気になるのが、前腕が長すぎたり、肩周りの動きが不自然だったりする所なのですが、ゼルダは、破綻せずよく作られていると思います。
あと、子どもの動き・仕草が途轍もなく可愛らしいです。走り回ったり遊んだり。よく作ったものです。
ストーリー
ゼルダシリーズは、元々そんなに、ストーリーを緻密に描いて、という方向性では無く、本作も同様。私自身は、もう少し掘り下げたりしても良いかな、と思ったのですが、これは好みの問題かな。
それでも、クリアした時は、映画を観終わった時のような、独特の感情が起こります。
謎解き
今回は、祠を探して謎を解いていくのがメイン。シリーズにある、大きな迷宮を探索していく、というのは余り無いです。そういう意味では、長いダンジョンをクリアした、といった達成感は、そんなに味わえないですね。ハイラル城はダンジョン風で、よくデザインされていますが、それでも、謎解き要素は特にありません。
神獣のギミックは良かったです。よく考えてるなあ、となりました。
祠はミニゲーム集的なもので、これが実によく出来ています。フィジックスを駆使したパズル、ですね。そこまでむちゃくちゃ難しい訳では無いけど、そこそこ頭を使わないと出来ない、という絶妙さ。
クエスト
メインクエスト・ほこらクエスト・ミニクエスト の分類。
私が思ったのは、もう少し、クリアしがいのあるクエストが欲しかったかなと。多くは、祠が見つかる、とかルピーが貰える、といった報酬なので。バリエーションがあって欲しかったかも。
アクション
もう少し難しくて良かったと思います。ボス戦が物足りなかったかな。いや、人によるでしょうけれど。私は、何度もやられてやっと勝てる、死にゲー一歩手前、くらいがちょうど良いと感ずるので。
最後の敵は、展開や演出は大変熱いのですが、戦闘自体は、もっと歯応えが欲しかったです。あれのタイミングはシビアですが。
効果の高い回復アイテムを容易に生成出来るゲームは、難度を格段に下げますね。FFで言うと、エクスポーションが簡単に作れる、という感じ。マックス系料理だと、エリクサーがポンポン作れる。回復アイテムをメニュー画面から使うので、その意味でもタイミングが簡単で、ヒヤヒヤしながら回復、といった局面がそんなに無いです。
システム周り
操作系は、かなり練り込まれています。やはりゼルダですね。
ただ、矢の誤射は結構起こりますね。
装備に関しては、お気に入りセットを登録出来たほうが良かったと思います。天気や地形、敵攻撃の属性によって、頻繁に装備を換えるので、その度にメニュー開いて一つずつ、というのはちょっと煩わしいものがあります。
武器の破損(消失)システムは、賛否ある所でしょう。私は、武器に耐久度があるのはシステム的に面白くなっていると思いますが、もう少し壊れにくくても良かった。バンバンぶっ壊れます。
音楽
とても良いです。ピアノメインで、でしゃばらず、かと言って静か過ぎず。
演技
ゼルダ役の嶋村侑さんの演技が、本当に、本当に素晴らしい。高貴さと幼さとを併せ持った声。自身の未熟さを認めつつも、宿命付けられた役割を全うしようと足掻く、そんな心情の表現。お見事でした。
ありがとうございます
これだけの見事なゲームを作るというのは、素人には想像もつかないほど大変な事だったのでしょうね。素晴らしいスタッフの妥協しない芸術品創りのお蔭様で、代え難いゲーム体験が出来ました。とにかく感謝です。