《正(陽)/負(陰)のラベリング効果》の言い換え案
医療におけるラベリング効果の話です。詳しい説明は↓
ラベリング効果には、好ましいものと好ましく無いものとがあり、それぞれを、
- 正のラベリング効果
- 負のラベリング効果
あるいは、
- 陽(陽性)のラベリング効果
- 陰(陰性)のラベリング効果
と呼ぶ場合があります。あるのですが、これらは検査の結果を知る事に伴う心理的現象を表す言葉なので、検査の結果そのものを表す陽性/陰性や正/負の語と紛らわしいです(正/負も陽性/陰性も、positibe/negativeに対応する語なので)。この用法に従えば、
- 検査で陽性の結果だったため、陰性のラベリング効果が生じた
- 検査で陰性の結果だったため、陽性のラベリング効果が生じた
↑こういった表現が出来てしまいます。解りにくいですよね。
このような事情があって私は、もっと他に良い表現が無いものか、と以前から考えていたのですが、思いついたものがあります。
- 楽観ラベリング効果
- 悲観ラベリング効果
↑この2つです。いずれも、字面的にすぐ解りやすく、日常的に用いる語でもあり、何より心理的な動きを指している事を明らかに表現出来ている、と思うのですが、いかがでしょうか。辞書的定義に照らしても、
物事の先行きをよいほうに考えて心配しないこと。心配するほどの事態でもないとして気楽に考えること。
物事が思うようにならないため失望すること。
上記のようになっており、違和感も無いと思います。これを採用すれば、最初に書いた例文は、
- 検査で陽性の結果だったため、悲観ラベリング効果が生じた
- 検査で陰性の結果だったため、楽観ラベリング効果が生じた
↑このように表現出来ます。だいぶん解りやすくなっているのではないでしょうか。
検索してみた所、同じような用法は見られず、他の分野で採用されてもいないようです。今後は、この語を使ってみようと思います。